2011年1月15日 (土)

情報B:試験問題作成中

本日は一日作問作業。特に「情報B」には時間がかかった。

横浜清陵総合高校では、1年次で「情報A」と「情報B」を選択必履修としている。約280人から52人が「情報B」を選択し、他は「情報A」という状況。今年は、この52人を3クラスに分けて担当している。教える方にも恵まれた状況なので、その分しっかりと教材を用意し、密度の濃い授業になるよう心掛けている。

来週、全年次で試験を行う。「情報B」では、理解を深めるために力だめしの問題を配布してある。その中から、アルゴロジックとスクイークの問題を紹介する。
PC上の操作だけでなく、頭の中でじっくり考えることも大切だ。

まず、アルゴロジックの力試し。
ルールは説明してあり、7月にはJEITAの方をお招きしてのコンペも行った。その後は、各自で解いておくように指示し、定期試験にも出題するとしてある。今回の試験では、中級問題から出題するので、その例題を示した。

旗車を題材にした問題
(問1)右のA・B・Cの枠に入れるブロックの図を書き込みなさい。
(問2)このアルゴリズムでは、旗はどの順番にクリアーするか。順番を答えなさい。

花を題材にした問題
(問)右の7つのブロックを全て使って破線の部分(5段)を完成させなさい。

次に、スクイークの力試し。
プログラミング教育を、「アルゴリズム教育」と「文法教育」に分離して教えるため、導入部分でスクイークを利用している。乱数を使った条件分岐など、コード入力の学習環境に入る前に理解させておく。

図形描画の例
(問)上の例に従って、次の2つのスクリプトを連続実行した時の図を書きなさい。
図形描画の問題

乱数と条件分岐の問題
(問1)「おみくじを引く2」では、大吉:中吉:吉:凶が出る比率をどのように設定してあるか。
(問2)「おみくじを引く2」の流れ図を書きなさい。

■アルゴロジックとスクイーク以外の問題は、後日紹介します。

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2010年9月20日 (月)

情報科インターンシップ:第1回フォローアップの会

本校にて、本日10時から17時半まで。標記のように教員を目指す学生と学習会。

情報科の教員採用試験と採用後のために学習会を実施することになった。夏休み中の2週間のインターンシップに参加した学生を中心に、情報科教員を目指す学生を募った。
インターン生4名中1名が都合がつかなかった。しかし、他の学生が友人を連れて来たので参加者は4名。

昼過ぎまで、スクイーク3.0を使ってのアルゴリズム学習を体験する。図形描画では2重ループにも挑戦、配列に入れた画像を交互に表示させるアニメーション、乱数を使って表示の確率をコントロールするおみくじ、車が太いラインや細いラインのコースを走行するライントレース。なるべく説明しないで、体験的に操作を理解してもらった。

おみくじ作成中 ライントレース

そして、3名のインターン生の模擬授業。指導案と資料を用意して、宣言した時間で授業を行う。グッズを用意したり、スライドを使ったりと、積極的に取り組んでいる。

模擬授業中 模擬授業中

一人ひとりにフィードバックしてから、今回のテーマの2進法とビット列に関する授業展開について協議した。私からは、2進法の繰り上がりについて、せめて1111までは板書して確認したいことを伝えた。教え方の違いを体験し、互いに勉強になったはずだ。

今後も2ヶ月に1回のペースで出来たらよいが。

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2010年9月 1日 (水)

情報B:スクイークでプログラミング(3)

試験前の1時間は、スクイークで「動物か虫のモデル化」の課題。

まずは明日からの期末試験と、提出物についての確認をする。試験は、2進法・ビット列と演算など中間試験の内容と、スクイーク、アルゴロジックで学んだアルゴリズムの内容から出題する。

残り35分ほどで、前回予告してあった「動物か昆虫の動きを再現する」というモデル化(とシミュレーション)の簡易版。アニメの素材となる絵を描き、順次表示させてアニメを完成。これを、乱数を使って自然な動きで表現する。

100901model

コード入力のプログラミングだと脱落者が出るだろう。しかし、この課題は、生徒全員が楽しみながら取り組む。「自分の絵が動いていく」という興味・関心を持つため、どの生徒も一生懸命に絵を描いていく。動作のスクリプトまで終わった生徒には、積極的に仲間のヘルプに着かせる。一人ひとりが違う絵なので、動き方もスピードも違う。他人の作品に興味を持ちながら助け合っていく。終了時間には、全員が完成してデータを提出していった。

カラフルなテントウムシ

アリの動き

以下、アニメの素材の部分のみで紹介する。生徒の発想は豊かだ。

変なおじさん みの虫

かえる

馬

いもむし

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2010年8月26日 (木)

情報B:スクイークでプログラミング(2)

本日から授業が始まった。LHR・大掃除の後、平常授業が4時間。

前期期末試験の前に1週間の平常授業。当分、残暑どころか猛暑が続きそうだが、今年から全教室にエアコンが付いた影響は大きい。

午前中は、情報Bを2クラス。試験前の2時間を使って、スクイークで「モデル化」を扱う。動物や虫の動きをデザインさせることが課題。まずは、課題のゴールを示すために、ネズミの動きとカブトムシの動きを紹介し、「配列」に入れた画像を順次表示するアニメーションと、動きに変化を持たせるために「乱数」を学ぶことを理解させた。

課題の事例

授業の前半で乱数の扱いを学び、乱数を使ってオブジェクトを直進でなくふらふらと動かす実験した。

後半でアニメーション。元になる画像(顔のダミー)を描いて、3つ複製して目玉を描き足す。

画像の準備

「入れ物」というオブジェクトに画像を入れる。「カーソルの位置」を指定すると、指定の画像が選択されることを確認。さらに、カーソル位置をずらす操作も。

カーソル位置を指定する

オブジェクト「顔のダミー」に、入れ物のカーソル位置の画像を順次表示させることで、アニメーションが完成。

アニメーション

次回の授業までに、自分が作りたい動物や昆虫のモデルを考えてくることが宿題。

■6月の教育実習では、ライントレースを中心に授業を進めていた。条件分岐を使って、計測・制御を理解しました。参考の画像を示します。

ライントレース

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2010年8月23日 (月)

文部科学省スペシャルサイト:プログラミン

プログラミン。文部科学省のトップページよりバナーでリンクされている

千葉の谷川先生に教えてもらったサイト。さっそく使ってみました。
かわいい絵が描けて、それが動くのだから楽しい。SqueakEtoysとSCRATCHのいいとこ取りという感じ。

先週、SSS2010では、谷川先生と一緒に「タイルスクリプティング環境を利用したアルゴリズム学習の実践報告」という発表をさせていただきました。その際は、SqueakEtoysと、SCRATCHアルゴロジックの3つのツールを例にあげ、「プログラミング教育」を「文法教育」と「アルゴリズム教育」を分離させて教えることができる時代になったことを伝えました。ここに、新たに「プログラミン」が加わりました。

易しい順に、プログラミン>SCRATCH>SqueakEtoysとなるのだろう。文部科学省は、新学習指導要領で小学校からプログラミング教育の導入を掲げていたが、率先してツールを開発していたことになる。初等中等教育では、これらを使ったアルゴリズムを中心としたプログラミング教育を行い(あるいは、簡易言語を1つ身につける)、高等教育では複数の高級言語を適材適所で使いこなしていければ良いかと考えている。

今後も同様なツールが増えてくるだろう。最も高度なことができるSqueakEtoysもVer.3.0のマニュアルと、「スクラッチ・カード」や「プログラミンのお手本」のような導入グッズが出来ることを期待している。

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2010年7月25日 (日)

神奈川県情報部会:夏の研究会第1回の成果物

昨日の第1回研究会の参加者の作品が公開されました

情報部会のサイトでは報告がまだですが、講師の宮坂さんが、みんなでたのしくスクイークのサイト内で、研究会の様子と参加者の作品をアップしてくれました。短時間ですが、スクラッチとスクイークで工夫して作った作品が紹介されています。

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2010年7月24日 (土)

神奈川県情報部会:夏の研究会第1回を実施

9時から16時30分まで、横浜清陵総合高校にて研究会を実施した。

テーマは「タイルスクリプティングでアルゴリズム・プログラミング教育」。
講師にフリーソフトのスクイークとスクラッチの普及活動をされている宮坂俊夫氏(デジタルハリウッド大学院研究員)をお招きし、午前中3時間はスクラッチ、午後3時間はスクイークの実習ワークショップを行った。

研究会の会場

宮坂氏はみんなでたのしくスクイークの運営の他、小学生・中学生への普及活動も行っている方だが、高校教員を対象とするワークショップは初めてという。しかも、スクラッチとスクイークのダブルヘッダーも。

スクイークの研究会は昨年度も行い、他でも紹介しているが、スクラッチについては初めての先生がほとんど。作成しながら基礎技術を理解することができる例題集である「スクラッチカード」を片手に、黙々とスクラッチにチャレンジ。この作業をする前には10分ほどの説明があっただけ。

スクラッチカードを片手に スクラッチカードを片手に

その後、1時間をかけて自由作品を作成し、全員がその作品を発表し合った。いろいろなアイディアが出て、互いに良い刺激になりました。

午後のスクイークは、講師が用意して下さったプリントと例題を一緒に作成し、基本操作を理解する。その後、1時間の自由作品制作に入るが、スクラッチと比べて操作を覚えることが多く、ハードルが高かったようだ。

アンケートを集約すると、先にやったスクラッチの方が取りつきやすく、スクイークは可能性が高いツールだが、ちょっと難しいというのが総意。
そして、タイルスクリプティング環境でアルゴリズム・プログラミングの導入を行うことの有用性には、全員が理解を示して同意している。詳細は、後日、情報部会の記事で紹介される。
今回の研究会の企画は、神奈川の今後の情報教育に少し波紋を投げかけたような気がした。


近年、出張しにくくなり、研究会を課業中の平日に設定してもなかなか集まれない。専ら、夏休みと冬休みを利用しての研究会を行ってきたが、今回は初の土曜開催となった。参加人数が心配だったが、ほぼ定員を満たす18名が参加し、終日熱心に取り組まれていた。中には、まだ夏休みに入っていないため、土曜で良かったという先生も。
このブログの案内を見て来られたという沖縄の総合教育センターの先生も、土曜だから参加できたのか。「私が必要としていた内容で、非常に有益な研修だった。」と喜ばれて帰られた。

講師の宮坂氏は平日は勤務があるために土曜開催となった。本日の結果を見ると、今後の研究会でも週末開催が有効かも知れない。

講師の宮坂さん、本当に御苦労さまでした。ありがとうございました。

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2010年7月21日 (水)

総合教育センターでスクイークを紹介

実践的授業力向上研修講座「新学習指導要領の実施に向けて」(情報)

午後からの研修会の講師として参加。18人参加、内容は以下のとおり。
1.講義「共通教科情報における学習指導要領改訂のポイント」
2.実践報告「『社会と情報』の授業実践」
3.実践報告「『情報の科学』の授業実践」

仕込みと動作確認のため、午前中から総合教育センターへ。

1番目の講義は総合教育センターの指導主事から。

2番目の実践報告は、2年前に参加した公開研究授業を、教員対象に行ったもの。90分授業の内容を、解説を入れて75分に圧縮して行ったが、参加された先生方は表計算とグラフのスキルを活かして頑張っておられました。以前のエントリでも書きましたが、とてもいいネタと授業展開。今日は授業のシナリオもいただいたのでラッキー。

3番目の実践報告は私が担当して、スクイーク3.0を使ったアルゴリズム教育の導入を実習形式で行いました。
75分しかないので、実習は2つとしましたが、「順次」「繰り返し」「条件分岐」の基本構造の他、「配列」「サブルーチン」「乱数」「変数」も取り扱った盛りだくさんな内容。コンパクトにまとめたので、初めてでもみな操作はできていたようです。

扱った2つの実習を示します。

多変形の描画

乱数とサイコロ

その他、ライントレースとおみくじの作品を紹介。

最後の10分は、アルゴロジックの紹介。例題を2つ解いた程度だが、興味を持たれた先生は多かった。
ちなみに、総合教育センターの担当には「アルゴロジック」を紹介するので動作確認を依頼しておいた。2名の担当者がはまってしまったそうだ。

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2010年6月 5日 (土)

スクイークで正多角形を描画

先日のエントリにいただいた谷川先生のコメントの検証をしました。

正N角形を描画する際に、回転角度を「360÷N」で指示する。Nの値によって結果が無限小数になる場合でも、キレイに描画するということを確認した。あくまでも簡単な検証。

正多角形描画

正11角形では、何周も実行させていたのですが、始点での角度は常に0.000度の表示でした。

■当面の授業では、このように一般化したスクリプトは紹介しないように心がけています。まずは「順次」をじっくりやってから、「分岐」と「繰り返し」に入ります。

本日、情報Bの受講者数52部のテキストを印刷した。みんなでたのしくスクイークからダウンロードし、サイト管理者に授業での使用を許可していただいた。今年は、このテキストを持たせた上で、オリジナルプリントで授業を展開する。

Squeak2005Jでは「繰り返し」が弱いので、テキストがあればSqueak3.0に移行したいのだが。。。

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2010年6月 3日 (木)

スクイークでプログラミング(1)

「情報B」の授業は、スクイークを使ったプログラミング学習に入る

1時間の余裕を持たせて前期期末試験の範囲を終えた。ここからスクイーク(2005J)を使ったプログラミングの導入に入る。今年の「情報B」の生徒は、誰もスクイークを使ったことがないようだ。

まず、最初の題材が横浜清陵総合高校の校章を描かせること。通称「スパイラル」と呼ばれている校章は、現在、相模向陽館高校の副校長であられる小島淳子先生の提案。らせん多辺形の一種である。

【 校章の由来 】
総合学科高校である本校の理念の基に集う人々が、現在から未来へ、この場所から世界へと「時空」を広げながらスパイラル(らせん)的に夢を実現して行く姿を表しています。

校章描画のアルゴリズム

「進んで回転」というステップを徐々に増やしていくことで、タイルの操作に慣れ、スクリプトによるオブジェクトの振る舞いを理解していく。

徐々にステップを増やして描画する

完成した生徒から歓声があがる。

校章描画の様子

ここで、実際の校章と何かが違うことを発問する。
しばらくすると気付く生徒が出る。「左に60度回転」という部分が実現できていない。「右」に回転してしまっている。
次に、どのように改良したらよいか発問。これも気付く生徒が出てくる。修正して、実行。

右側が正しい描画

厳密には全体を回転させる必要があるが、いずれその解決策を問う。

次に、正多角形を描く。正方形は90度回転すればよい。「正三角形は?」と指名して発問すると、必ず「60度回転」という返答。これがミソ。
実行させると、すぐ、外角の120度が正解と気がつく。

正六角形は正三角形を描く時に予習してしまっているので、正五角形の描画を考えさせる。当てずっぽうの角度を使った生徒も、偶然の綺麗な図形に感動している。

何名か正解の描画をしはじめる。しかし、正解を出していた生徒の多くは、内角を求めてから外角を出しているので、「では正10角形は?」と個別に質問する。
さらに、「正方形は、4回回転して元の向きに戻る」「正三角形は、3回回転して元の向きに戻る」と解説すると、残りの生徒もすぐに気付いてくれる。
つまり、「正N角形の外角は、360度÷N」である。

正多角形の描画

スクイークは任意の場所に保存する際にクセがある。最後のこの指導が一番手こずった。

■再来週から3週間の実習を行う教育実習生を今日の授業に参加させた。今日の見学は実習時までのイメージ作りに役立つはずだ。

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