情報Aでは、箱ひげ図を作成して母集団が異なる分布を比較している。
来年度から前倒しで実施する新学習指導要領「数学I」の「データの分析」の章で扱われる「箱ひげ図」。現職の数学科教員のほとんどが初めて扱う内容でもある。
海洋科学高校の実践事例をもとに、横浜清陵総合高校でも前期に「目分量の10センチに切ったテープの実測値について、個人データ、班データ、クラスデータの度数分布図を作成する」という実習を行なった。この時のデータをそのまま使うことができた。

上は、データから箱ひげ図を完成させる直前の様子。下は、その完成図。

Excelのグラフウィザードに「箱ひげ図」はないので、積み上げ棒グラフに誤差表示機能で「ひげ」を付けて行く。そのために、四分位数をQUARTILE関数で求めてから、「はこ」「ひげ」「土台(仮称)」の各要素を算出した表を用意する。
各部分の名称は、便宜上勝手につけさせていただいて解説した。図も自作。

下は、データから算出した四分位数と各要素の表。

以下に、Excel2003を使ってこの表から6クラスと全体の箱ひげ図を作る手順を示す。
■縦棒グラフ作成
1、B26:I29を選択し、グラフ機能を利用して「積み上げ縦棒グラフ」を作成する。
■上ひげ作成
2、グラフの「上箱」の部分をダブルクリック
3、[データ系列の書式設定]ウィンドウの[Y誤差範囲選択]タブで、[表示]を[正方向]に
4、さらに[誤差範囲]の[指定]を選び、[+]の範囲に「上ひげ」の範囲「C30:I30」を設定する
■下ひげ作成
5、棒グラフの「土台」の部分をダブルクリック
6、[データ系列の書式設定]ウィンドウの[Y誤差範囲選択]タブで、[表示]を[負方向]に
7、さらに[誤差範囲]の[指定]を選び、[-]の範囲に、「下ひげ」の範囲「C30:I31」を設定する
■土台を消す
8、「土台」をダブルクリックして、[パターン]の[輪郭]と[領域]を「なし」にする
■箱の色を揃える
9、「上箱」と「下箱」の部分をダブルクリックして、[パターン]の[領域]の色を揃える
■縦軸を調整
10、縦軸をダブルクリックして、[軸の書式設定]ウィンドウの[目盛]タブで、[最小値]の値を、下ひげの一番下よりも少し小さい値(6)にする
■その他の調整
11、[凡例]を削除する。
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