2011年11月 7日 (月)

お絵かきアルゴロジック

10月25日に公開されたお絵かきアルゴロジック。文化祭代休明けに早速授業で扱った。

情報Aを選択しているクラスも情報Bを選択しているクラスも、9月のエントリのようにアルゴロジック2(試作版)を扱ってきた。その後も生徒は授業の前後に問題を解いている。今回は、Webの正式版と共に公開された「お絵かきアルゴロジック」を、情報Aのクラスに「アルゴリズム入門(2)」として1時間の授業展開を行なった。

まずは、基本操作の説明。アルゴロジック2を使いこなしている彼らは、1分の説明で理解する。まずは、10分ほど自由に図形を描画させる。

お絵かきアルゴロジックのタイトル画面 自由描画の事例

この時間は、机間巡視をしながら、それぞれの描画を褒めて回る。生徒のモチベーションを高めるために必要な時間だ。(偶然にできた)綺麗な図形に、あちこちからお呼びの声がかかる。上に示した例はその初期のもの。点対象の手裏剣の様な図形や、チューリップのような非対象な図形など、もっと面白い描画が楽しめた。

使い方を理解したところで、生徒PCの画目をブラックアウトして、プリントの問題を考えさせる。

紙ベースで基本問題を考える 実際に動作させて答え合わせ

第1問は、4ブロックでできる3種類のプログラムと、3種類の描画との対応を判断する問題。簡単な問題で、生徒には自信をつけさせる。ブラックアウトをはずし、生徒は自分の解答を、実演して答え合わせをする。

次はもう少しステップ数が増えた問題。やはり生徒PCをブラックアウトし、考える環境を確保する。同じ図形が描画できても、プログラムが異なるという事例で、かなり考え込む様子。

紙上の問題を特ことに集中 紙上の問題を特ことに集中

最後は、プログラムだけ与えて、各自がそれをトレースして描画図形を考える問題。一度描いた図の上に描画する問題もあり、結構難しい問題も作れる。生徒は想定以上に真面目に取り組み、たった1時間という授業構成に「もっとやりたい」との声が出る。

プログラムのトレースに取り組む プログラムのトレースに取り組む

今後、後期中間試験の予告問題として、紙ベースでアルゴリズムを考える問題を与えていく。

情報Aのクラスでは、次は来年度からの数学Iに出てくる「箱ひげ図」を使った、分布の比較の事例を扱っていく。現在、教材開発に全力を尽くしている。

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2011年9月29日 (木)

情報A/B:アルゴロジック2でアルゴリズム入門(2)

後期、アルゴロジック2でスタートして2日目。全クラスで第1回目を実施した。

昨日、今日の2日間で、情報A6クラスと情報B2クラス全てで第1回目の授業を終えた。どのクラスも、試作版を先行して利用できる背景などを説明してから、「順次」「繰り返し」「分岐」の基本問題2題ずつを解説し、残りの基本問題を解かせた。

どうやら、元気なクラスほど正解率が高いようだ。
前期は、情報Aも情報Bも「表計算ソフトを利用したデータ分析」と「事業所見学の準備とプレゼン」という同じ内容で授業を行なってきた。情報Bの生徒が情報Aの生徒よりもプログラミングに興味を持っている傾向はあるが、むしろ情報Aのクラスの中に最も正解率が高いクラスがある。

考え中の情報Bの生徒たち

この写真は、情報Bの2クラス目の様子。マウス操作をする前に「考え込んでいる」様子が伺える。基本部分では、トライすることで正解が見つかることがあるが、応用問題になるとこの姿勢がどのように影響してくるだろうか。

明日は、情報Bのクラスで第2回目の授業を行なうクラスがある。行動パターンに注意したい。

来週月曜には、情報Aも情報Bも第2回目の授業が続く。
開発関係者のO氏が見学に来られることになった。

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2011年9月28日 (水)

情報A/B:アルゴロジック2(試作版)でアルゴリズム入門

情報A/B共に、後期の授業はアルゴロジック2でスタート

昨年は情報Bのみで扱ったアルゴロジック。開発関係の方が授業にお出でになって、コンペを行なった。
今日の授業では、その関係があって、10月以降に公開される新バージョンの試作版を提供していただいた。授業で使うことと広報することの許可を得て、昨晩急遽プリントを作成した。他の2名の情報A担当者には直前の説明だったが、快く受け入れてくれた。

TTの先生も夢中 TTの先生も夢中

私は情報Aを1クラス、情報Bを2クラス担当している。本日はA・B一クラスずつ授業があり、順次・繰り返し・分岐から2題ずつを解説し、基本問題の残り6題を自由に解かせた。どちらのTTの先生も空いているPCで夢中になって取り組んでいた。大人になっても十分楽しめる。

全管理画面と個別表示画面 教え合う様子

一通りの説明が終わると、教師卓の管理画面で、それぞれの作業の様子を見る。どのように迷うのか、とても良く分かる。他の先生のクラスも一生懸命取り組んでいた。

本日の目標達成

本日は、応用問題に入る前までを◎正解することを目標にさせた。情報Aのクラスでは、10名(約4分の1)が解き終えた。情報Bのクラスは、説明で深入りしたため解く時間が少なかったが、5名(約6分の1)が終了。結果は予想に反するものがありました。

次回はアルゴロジック2の応用問題に入る。解きながら、自分がクリアーした場面をキャプチャしてトリミングし、適切な圧縮形式で保存する技術をマスターさせる。必然性がある作業だ。

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2011年1月15日 (土)

情報B:試験問題作成中

本日は一日作問作業。特に「情報B」には時間がかかった。

横浜清陵総合高校では、1年次で「情報A」と「情報B」を選択必履修としている。約280人から52人が「情報B」を選択し、他は「情報A」という状況。今年は、この52人を3クラスに分けて担当している。教える方にも恵まれた状況なので、その分しっかりと教材を用意し、密度の濃い授業になるよう心掛けている。

来週、全年次で試験を行う。「情報B」では、理解を深めるために力だめしの問題を配布してある。その中から、アルゴロジックとスクイークの問題を紹介する。
PC上の操作だけでなく、頭の中でじっくり考えることも大切だ。

まず、アルゴロジックの力試し。
ルールは説明してあり、7月にはJEITAの方をお招きしてのコンペも行った。その後は、各自で解いておくように指示し、定期試験にも出題するとしてある。今回の試験では、中級問題から出題するので、その例題を示した。

旗車を題材にした問題
(問1)右のA・B・Cの枠に入れるブロックの図を書き込みなさい。
(問2)このアルゴリズムでは、旗はどの順番にクリアーするか。順番を答えなさい。

花を題材にした問題
(問)右の7つのブロックを全て使って破線の部分(5段)を完成させなさい。

次に、スクイークの力試し。
プログラミング教育を、「アルゴリズム教育」と「文法教育」に分離して教えるため、導入部分でスクイークを利用している。乱数を使った条件分岐など、コード入力の学習環境に入る前に理解させておく。

図形描画の例
(問)上の例に従って、次の2つのスクリプトを連続実行した時の図を書きなさい。
図形描画の問題

乱数と条件分岐の問題
(問1)「おみくじを引く2」では、大吉:中吉:吉:凶が出る比率をどのように設定してあるか。
(問2)「おみくじを引く2」の流れ図を書きなさい。

■アルゴロジックとスクイーク以外の問題は、後日紹介します。

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2011年1月12日 (水)

アルゴロジック:試験対策の時間

情報Bの試験一週間前。アルゴロジックの問題を出題すると告知。

前期の期末試験でも出題したが、問題の一部にアルゴロジックを応用した問題を出した。その後、各自で解いておくことを勧めてきたので、多くの生徒が中級問題までをクリアーしている。
本日、進度に余裕のあるクラスでは、試験対策としてアルゴロジックを解く時間を与えた。みな、喜んで取り組み始める。「前に解けたけど忘れてしまった!」という声も出る。何回やっても試練になるのだよ。

アルゴロジックの時間o

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2010年12月22日 (水)

アルゴロジック:アルゴロジックJr.

本日で年内の授業が終了。情報Bでは、アルゴロジックJrの演習を行った。

最近、アルゴロジックが、サイトとして充実してきた。他校の事例と共に横浜清陵総合高校での実践も紹介されているが、それよりもアルゴロジック本体の充実が素晴らしい。

基本をじっくりと学ぶことで、アルゴリズムを考える能力が高まる。そんな目的で、アルゴロジックJr.(初心者問題)が新設された。

アルゴロジックジュニアへ

本日の情報Bの授業では、昨日放送されたTVKの番組(本校の課題研究発表会を取り上げたもの)を紹介してから、残りの時間はアルゴロジックJrの完全制覇を目指した。

アルゴロジックジュニアに取り組む様子

冬休み明けに定期試験がある。前回の定期試験でもアルゴロジックを利用した問題を出題したが、アルゴリズムを考える力を良く判定することができる。面白いことは当然だが、次回も出題することを伝えてあるからか、生徒はみな一生懸命取り組んでいた。

このアルゴロジックJrは、良問がそろっていて、初めての高校生が1時間の授業で扱うのにちょうど良い。今後も、多くの学校で取り組んでいただきたい。

本校では、アルゴロジックとSqueakEtoysでアルゴリズムを先に学んでいるので、ライフゲームを題材にした「モデル化とシミュレーション」では表計算ソフトでの入れ子のIF関数にもすんなり入ることができた。冬休み明けからJavaScriptを使ったプログラミングに入るが、昨年もストレスなく導入することができた。
先に「アルゴリズム」を楽しく学んでおくことで、「プログラミング」の導入が容易になる。

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2010年9月26日 (日)

アルゴロジック:新作3題

アルゴロジックに新作が追加されました

本日は、家の仕事のあと、ひたすら応用情報技術者試験の対策。午前問題は一通り済んだので、午後問題対策に入った。

新作3題

アルゴロジックの問題は、一区切りつくまでお預けとしておきます。
あぁ、やりたい。。。

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2010年9月 1日 (水)

情報B:スクイークでプログラミング(3)

試験前の1時間は、スクイークで「動物か虫のモデル化」の課題。

まずは明日からの期末試験と、提出物についての確認をする。試験は、2進法・ビット列と演算など中間試験の内容と、スクイーク、アルゴロジックで学んだアルゴリズムの内容から出題する。

残り35分ほどで、前回予告してあった「動物か昆虫の動きを再現する」というモデル化(とシミュレーション)の簡易版。アニメの素材となる絵を描き、順次表示させてアニメを完成。これを、乱数を使って自然な動きで表現する。

100901model

コード入力のプログラミングだと脱落者が出るだろう。しかし、この課題は、生徒全員が楽しみながら取り組む。「自分の絵が動いていく」という興味・関心を持つため、どの生徒も一生懸命に絵を描いていく。動作のスクリプトまで終わった生徒には、積極的に仲間のヘルプに着かせる。一人ひとりが違う絵なので、動き方もスピードも違う。他人の作品に興味を持ちながら助け合っていく。終了時間には、全員が完成してデータを提出していった。

カラフルなテントウムシ

アリの動き

以下、アニメの素材の部分のみで紹介する。生徒の発想は豊かだ。

変なおじさん みの虫

かえる

馬

いもむし

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2010年8月26日 (木)

情報B:スクイークでプログラミング(2)

本日から授業が始まった。LHR・大掃除の後、平常授業が4時間。

前期期末試験の前に1週間の平常授業。当分、残暑どころか猛暑が続きそうだが、今年から全教室にエアコンが付いた影響は大きい。

午前中は、情報Bを2クラス。試験前の2時間を使って、スクイークで「モデル化」を扱う。動物や虫の動きをデザインさせることが課題。まずは、課題のゴールを示すために、ネズミの動きとカブトムシの動きを紹介し、「配列」に入れた画像を順次表示するアニメーションと、動きに変化を持たせるために「乱数」を学ぶことを理解させた。

課題の事例

授業の前半で乱数の扱いを学び、乱数を使ってオブジェクトを直進でなくふらふらと動かす実験した。

後半でアニメーション。元になる画像(顔のダミー)を描いて、3つ複製して目玉を描き足す。

画像の準備

「入れ物」というオブジェクトに画像を入れる。「カーソルの位置」を指定すると、指定の画像が選択されることを確認。さらに、カーソル位置をずらす操作も。

カーソル位置を指定する

オブジェクト「顔のダミー」に、入れ物のカーソル位置の画像を順次表示させることで、アニメーションが完成。

アニメーション

次回の授業までに、自分が作りたい動物や昆虫のモデルを考えてくることが宿題。

■6月の教育実習では、ライントレースを中心に授業を進めていた。条件分岐を使って、計測・制御を理解しました。参考の画像を示します。

ライントレース

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2010年8月23日 (月)

文部科学省スペシャルサイト:プログラミン

プログラミン。文部科学省のトップページよりバナーでリンクされている

千葉の谷川先生に教えてもらったサイト。さっそく使ってみました。
かわいい絵が描けて、それが動くのだから楽しい。SqueakEtoysとSCRATCHのいいとこ取りという感じ。

先週、SSS2010では、谷川先生と一緒に「タイルスクリプティング環境を利用したアルゴリズム学習の実践報告」という発表をさせていただきました。その際は、SqueakEtoysと、SCRATCHアルゴロジックの3つのツールを例にあげ、「プログラミング教育」を「文法教育」と「アルゴリズム教育」を分離させて教えることができる時代になったことを伝えました。ここに、新たに「プログラミン」が加わりました。

易しい順に、プログラミン>SCRATCH>SqueakEtoysとなるのだろう。文部科学省は、新学習指導要領で小学校からプログラミング教育の導入を掲げていたが、率先してツールを開発していたことになる。初等中等教育では、これらを使ったアルゴリズムを中心としたプログラミング教育を行い(あるいは、簡易言語を1つ身につける)、高等教育では複数の高級言語を適材適所で使いこなしていければ良いかと考えている。

今後も同様なツールが増えてくるだろう。最も高度なことができるSqueakEtoysもVer.3.0のマニュアルと、「スクラッチ・カード」や「プログラミンのお手本」のような導入グッズが出来ることを期待している。

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