赤青メガネとアナグリフメーカーで立体写真を体験した
専門教科情報の科目「図形と画像の処理」、3年次生は今日で最後の授業となる。1時間ではあるが、アバターなどの映画や3Dゲームの出現で今が旬の「3D技術」について触れておく。
人間の目は、左目と右目という2つのカメラから若干差異のある画像を得て、脳はその差異の度合いから立体感を感じ取る。つまり、左目用と右目用の画像が、それぞれに強制的に送り込まれれば立体感を感じてしまう。という話をして、シャッター式や偏光式メガネの理論を簡単に説明した。次いで、暗記本を赤いシートで隠すと、赤い字が見えなくなることを確認して、赤と青のメガネをかければ、赤抜きの画像と青抜きの画像が目に送り込まれることを説明。なるほどと納得してくれるのは、ほとんどの生徒が3D映画の体験があるからだろう。
用意したものは、STEREOeYeのサイトからダウンロードしたAnaglyphMakerと、赤とシアンのメガネ。写真では、左が生徒数分STEREOeYeの通販で購入したもの、右はIMAGICA社の見学のお土産。
メガネをかけさせて、STEREOeYeのサイトから立体写真を見せる。生徒は素直に驚きを表現するので、ツカミとして十分の効果。
次に、横に10センチほどカメラをずらして撮った学校の風景写真2枚を提供。これらをアナグリフメーカーに読み込んで、立体写真に合成させる。操作は、ボタンを押すだけ。事前に、適切に立体効果が得られる写真を選んであるので必ず成功する。(撮影には三脚を使うのだが、左右にどれだけ動かすと適当かは、何枚か撮ってみないと分からない)
次が本番。
この科目では、POV-RayとMetasequoiaというフリーソフトで3D編集を行っている。授業中に作った作品を開いて、カメラ操作により左目用と右目用の画像をレンダリングすることを指示する。アナグリフメーカーで合成して、納得がいく立体効果が得られるまでレンダリングし直させる。
体験的に理論を理解させることができる。
上はメタセコイアを使った事例。生徒はもっぱらこちらで試行した。
下はPOVRayを使った事例。赤青メガネをかけると、球の前後関係がよく分かる。
最後は、全員の画面を順に転送して相互閲覧。生徒は1時間の別世界を満喫したようだ。
授業で扱ってみると、あらためていろいろなことが分かる。
生徒が作った作品は教材として適切だったが、赤い部分やシアンの部分がある場合は、カラーで合成するとうまくいかない。その場合は、白黒写真への合成が良い。
また、球のような物体は効果が薄く、縦で遠近差のある構造物だと効果が高い。
メタセコイアにサンプルで付いているオブジェクトで、グレーで縦構造のものがある。これを使ったものが下の写真。中央の画像が、両側の画像をアナグリフメーカーで合成したもの。
ぜひ、赤青メガネで見てください。
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