10センチ・10秒ってどれくらい?
来週12日に迫った第53回ICTE情報教育セミナー in 早稲田での発表の準備中
昨年に続き、このセミナーで発表させていただく機会を得た。私は、上月情報教育研究助成を受けてグループで教材開発を研究してきた成果から、三宅なほみ先生の実践をヒントに若林先生が海洋科学高校で実践した教材を、本校にて実践し検証したことを元に発表する。
現在は、明日提出する予稿を準備している。予稿の一部「はじめに」では、以下のような思いを伝える。
「実態は町のパソコン教室以下。これでよいのか、高校IT教育」(日経コンピュータ2005年4月号記事)と、かねてから「手段」と「目的」をはき違えた教育が批判されていた。表計算ソフトウェアでは操作教育に終始することが批判の対象になるが、扱う教材にも問題があると考えている。「試験の点数集計」や「掛け算の九九の表」をはじめ、教科書に掲げられる例題や検定試験問題は生徒の身近な問題とは関わりが少ない。そのため、生徒はこれらの問題からデータを処理し、加工する動機を持たず、データを処理した結果についても興味を示さない。これでは「表計算ソフトを利活用する意欲」だけでなく、「データを読み解く力」や「データを可視化する態度」を育てることができないのである。
上月情報教育研究助成を受けて活動してきた「高校における情報デザインを研究する会」では、この表計算ソフトの教材開発も視野に入れてきた。メンバーの若林庸夫教諭(神奈川県立海洋科学高校)が三宅なほみ教授(東京大学大学院教育学研究科)の実践をヒントにして、目分量で紙テープを10㎝に切って実測したデータを分析するという実践を行った。個人のデータの分布、グループのデータの分布、学年全体のデータの分布を調べ、表れてくるバラツキの特徴を考察するという内容である。どの学校でも実施できる生徒参加型の教材なので、私はグループ研究の実践検証として、「情報A」選択クラスでは同様に紙テープを10㎝に切って測定値を分析し、並行して「情報B」選択クラスでは目を瞑り感覚だけで10秒を計時して、ストップウォッチで実際の時間を測定して分析した。
今回のポスターセッションでは、この2つの実践の授業の写真、ワークシートおよび実際のデータ分析の結果を示して、事例報告と考察を行う。
一緒に情報を担当している本校同僚からは「画期的な教材」と評価を得た。
詳しくは、当日のポスターセッションにて説明をさせていただく。
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