特色科目発表会の翌日。気が付いたことを記しておく。
朝、特色科目委員会の先生方とは「お疲れ様」の挨拶を交わす。発表や司会運営は生徒が行うのだが、見守る教員にもプレッシャーがかかっていた。そして、予想以上に工夫して、「本音」を生の声で伝えてくれた生徒から、感動を得たことを共有する。
登校した発表者に会うと必ず声をかける。みな達成感に満ちた顔で応えてくれる。
発表者では無かった生徒からも、どんな人にインタビューしようか考えている、など、次の課題に向けて意識を高めている。生徒全員の表情が明るく感じられた理由は、終業の日というだけではないだろう。1年次生も、2年次生もそれぞれの科目を終えたという実感と充実感があるのだろう。
産人では、グループワークで、年に2回の報告と、1回の発表の機会がある。キャリア教育の鉄則である、体験後の表現活動による振り返りがスパイラルで行われる。その自信が、2年次になってからのインタビュー実習にチャレンジする糧となり、インタビューの体験が、3年次の課題研究のフィールドワークに生きていく。
横浜清陵総合高校では、4つの特色科目が、「産人」→「コミュニケーション」、「視点」→「探求」という2つの流れで組み立てられ、全体で自分の将来に興味関心を持ち、職業観を身につけていく一本の「キャリア教育」を形成している。総合学科それぞれが独自のスタイルを持っているが、本校の生徒や文化にマッチした形であると再確認しました。
特に「コミュニケーション」については、大学の先生からの講評にもあったように、おそらく日本のどこにもなく、そしてとても価値のある科目だろう。総合学科の必履修科目として「産人」「情報」「課題研究」の3つが設置され、それぞれが互いをサポートしながら総合学科を運営していくのだが、それでは2年次が薄く、「産人」「情報」と「課題研究」が繋がりにくいという発想で、「産人」の発展科目という形での学校設定科目を起こした。そして、その課題をこなすことで生徒は大きな成長をとげる。
学校の設計に関わって来られた先生方の先見の明と科目開発の努力について、あらためて敬服する。
4つの特色科目で学校の特色を実現している裏には、「つかみ」と「仕掛け」が緻密に練られている。産人の中で報告会や記録集作成という活動は、2年次以降の活動の基礎力と自信をつける「仕掛け」が含まれている。この発表会は、一年間の振り返りと共に、次年度の学びへの興味を持たせる「つかみ」でもある。
まだ該当科目を担当していない教員に対しても、その学びを理解をする機会になっている。これは教員に対する「つかみ」かな。普通科高校に長く勤務していると、違ったタイプの学校へ切り替えが難しいのは当然だから。
苦しいときこそ工夫ができる。今回は公会堂での実施予定が校内実施に変更になった。下の写真や昨日のエントリの写真のように、発表会で初めて舞台の平台を使い、上部照明の操作も本格的に試してみた。一生懸命取り組んでいる生徒の活動が輝くように、より高いレベルでバックアップしたいという教員の思いが工夫につながった。う~ん、教員が生徒に「動かされている」のだな。
昨日の発表会の終了後、ガイダンスルームに10名以上が訪れた。担当教員の分析によると、自分の将来に向けて興味・関心が高まったからだという。
発表者の中には「演劇表現」の授業を受けている生徒が多い。センスの良いスライドには「DTP入門・基礎」の受講者がかかわっている。授業で学んだ成果が他の生徒も巻き込んで実践されることから、総合学科の系列科目の影響が大きいことが分かる。
PTA会長より、「とても良かったので、PTA総会にて再現(発表)してもらえないか」と依頼を受ける。しばらく先になるので、生徒のモチベーションを維持するのが難しい。DVDを編集するのでその上映で代用していただきたいと提案した。
他の教員が撮った写真の中に、私(白衣)が映っているものがあった。
開始直前の司会との打ち合わせと発表を見ている様子。

右の写真から分かること。
・生徒は発表会のプログラムを見ている。手にしている。
・プロジェクター前の発表者用モニターが役だっているだろう。
・聞き手の生徒も楽しんでいる。
残念なことは、
・発表者の表情、聞き手の表情など、良い写真が多いのだが公開できないこと。
・会場と時間が変更になり、見学に来れなくなった来賓がいること。
・学校警備員の方が、(変更になった)保土ヶ谷公会堂に行かれたとのこと。
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