インターン生のレポートより:インターンシップで得たこと
8月2日~13日の2週間、情報科教員を目指す学生のインターンシップ受入れを実施した。
キャリア教育を高校生に指導する立場であるが、同時に大学生にもキャリア教育を行っている。もちろん、成長過程によって、その意義も変わってくる。後者は、神奈川の情報科教員を目指す学生という非常に限られたターゲットなので、かなり具体的な指導をしてきた。さらに、インターンシップの2週間で終了ではなく、深く、何度も振り返ってもらうための仕組みも必要だ。
今年は4名の学生を受入れ、終了後に3つの課題を与えたが、その一つであるレポートが提出された。項目として次の3つを課した。
・インターンシップから得たこと
・今後1年間にすべきこと
・総合学科の教育活動から感じること
ここでは、第1の項目について4名の報告を紹介する。(到着順)
私のキャリア教育の振り返りでもある。
私が今回のインターンシップで得たことは、下記の3つである。 1-1.授業作り
インターンシップ生の私は、授業サポート役という形で授業に参加していたため、授業者を生徒側から見ることと、生徒の学習活動を後ろから見ることの両方ができた。それは、自分が授業者では気づかないようなことに、客観的に気づくことができた。
また、今回は偶然にも、教育実習生が授業をしていたことをはじめ、他のインターンシップ生の模擬授業を見ることなどがあり、様々な方の授業を見ることができた。他の方の授業というのは、自分にはない考えや、自分では思いつかない素材を使ったり、方法を行ったりと、とても新鮮であり、とても勉強になった。
今回、インターンシップという機会を通して、授業作りについて関して得たものは、「生徒の学習活動を考え、生徒と一緒に授業を作る」ということの大切さである。
生徒の学習活動を考えるためには、日常の生徒の様子をよく観察した上で、教材研究を充実させることが必要である。生徒と一緒に授業を作るためには、講義ではなく、発問等で生徒とコミュニケーションを取りながら授業を進めることが必要で、そのためには「生徒の学習活動を考える」ことが重要である。
要するに、「授業作りの基本」の大切さを改めて感じたインターンシップであった。
1-2.現場の技術
今回、五十嵐先生のご好意により、大学の講義では学べない、現場の技術を学ばせて頂いた。特に、サーバ管理やユーザ管理に関しては、とても気になっていたので、教えて頂けて良かった。その他にも、画像編集や動画編集などを様々なアプリケーションを使って、授業での活用方法を含めながら、教えて頂いた。
大事なことは、アプリケーションの使い方ではなく、そのアプリケーションを使ってどのように授業を工夫し、どうやって生徒のやる気を出させるかであると感じた。
現場の技術を教えて頂いたことで、私の考える授業の幅が広がった。
1-3.人の繋がり
今回私は、五十嵐先生をはじめ、鎌田先生、菊池先生、インターンシップ生のOさん、Nさん、Kさん、教育実習生のMさん、その他にも横浜清陵総合の先生方など、多くの方にお世話になり、アドバイス等を頂いた。これは、とても恵まれた環境でインターンシップをさせて頂いたということでもある。
このような、様々な方に出会ったという経験、そして、そこで生まれた人と人との繋がりを私は大事にしていきたい。このインターンシップで得たことのなかで、一番大事だと思っているのが、人の繋がりである。
インターンシップに参加して、いろいろな経験が出来ました。1番の大きな経験は、生徒と触れ合うことが出来たことはとても大きいことだったと思います。生徒とコミュニケーションが取れるか不安であったが、日を重ねることで段々とコミュニケーションが取れていくことに喜びを感じました。また来年に教育実習があるのでコミュニケーションというところでは自信にも繋がりりました。このインターンシップのインターンシップ生の最大の役割は、生徒が理解していくことが出来るようにサポートすることであったので、生徒とのコミュニケーションはとても重要であったと終わってからも思いました。生徒と良いコミュニケーション関係を気づいていれば、授業はとてもしやすい授業になるし、生徒も好きな先生の授業は聞くことにも影響してくると思うのでとても重要であると思いました。
他にも重要なことはたくさんあると思う。教えるということは確実に分かっていないと生徒に教えることは出来ないので、教師が少し分からないことでもあると生徒には分かられてしまう。そのようなことはあってはならない。教えるにも様々な工夫がなくては生徒には理解してもらえない。どのような工夫をすれば生徒が理解してもらえるのか常に考える必要があるとこのインターンシップで再認識できました。
生徒に教えることだけでなく私たちインターンシップ生が学ぶこともたくさんありました。例えば、「Irfan View」というソフトである。このソフトはこのインターンシップでは欠かせないソフトであった。生徒の作品を画像化したりしてWebに載せることや画像をモザイクするといったことなど様々なことが出来るソフトを教えていただきました。このようなソフトは授業教材としても使って、生徒に理解してもらえるようになるだろうと思います。この他にも様々なソフトを教えていただいてパソコンでこんなことが出来るのかと、驚いたことが出来るようになり私にとってとても良い物になりました。
このインターンシップでは、4年生のインターンシップ生がいて、今年の教員採用試験を受けたことからどのように行われているのか知ることが出来ました。試験の仕方やどのようなところを見ているのかなど知ることが出来ました。この他にもその人の模擬授業をたくさん見たことにより、授業をどのようにすればよいのか知ることが出来ました。このような経験は、このインターンシップに参加した人でしか出来なかったことであるのでとても大きなことであったと思いました。また、現役の情報の先生などからも現場の声を聞けたこともとても大きな経験であったと思います。
横浜清陵総合高等学校での10日間のインターンシップで得たことは限りなく多いが、ここでは3つに絞ってまとめることとする。
まず、このインターンシップ期間中に行われた短期集中講座「DTP基礎」に関連して、DTPの知識・技術、また、それに関連する知識・技術を得ることができた。「DTP」とだけ聞くと難しい・取りつきにくいイメージがある。短期集中講座「DTP基礎」のスケジュールを見ただけでは難しいように思えた。また、Microsoft Office WordでDTPを学ぶという点に最初は驚きを感じた。MS Wordといえば、レポートなどの文書を作成するソフトウェアだからだ。MS WordでDTPに関して学習した経験はこれまでに一度もなかった。また、Microsoft Office Publisherを使ったことも一度もなかった。実際にインターンシップ初日からDTPについて学んでいくと、楽しさが感じられた。グリッドの活用法、ラフスケッチの描き方、行間値の設定、トラッキングとカーニングなど、このインターンシップに参加しなければきっと知らなかっただろう知識や技術を身につけることができた。また、短期集中講座3日目には、横浜デジタルアーツ専門学校において、色に関する知識を習得することができた。色については、光の三原色RGB、色の3原色CMY (CMYK)については何となく知っていたが、それらを含め、色について新たに学ぶことが多かった。
2つめに、情報科の教員として備えておくべきことを学ぶことができた。教科「情報」で扱う範囲は広いものである。例えば、コンピュータの知識を知っていれば教科「情報」のすべての内容を教えられるというものではない。教科「情報」の問題は、多くの学校でコンピュータの操作法やワープロソフトWordや表計算ソフトExcelの使い方のみを教授していることである。そのため、情報=コンピュータと錯覚する人も少なくない。実際に、私の通う学部名「情報コミュニケーション学部」を高校の友人に話すと、コンピュータを学ぶ学部だと思われることが少なくない。しかし、コンピュータについて研究しているわけではない。教科「情報」では、コンピュータのみにとどまらず、今回の短期集中講座のように、情報表現としてのDTPを学ぶこともあり得る。また、授業で扱うプリンタのトラブルへの対処、生徒が制作した作品を公開するためのウェブ・HTMLの知識なども今回のインターンシップ期間中に知ることができた。生徒の次へのやる気をつなげるためには、教師の裏の仕事が必要であると感じた。
最後に、情報科の授業について学び、考えることができた。情報科の授業は、情報A・情報B・情報Cだけにとどまらないということに気付くことができた。専門学科では専門教科「情報」が用意されていることは高等学校学習指導要領にも明記されていることだが、今回の短期集中講座「DTP基礎」などの総合学科での科目は未知なるものであった。「情報」の科目はすべての教科・科目、校内活動にかかわってくる。今回学んだ「DTP基礎」の知識・技術は、ある教科で学習したことを他者に公開する形でまとめたいとき、生徒会のポスターやチラシを作るとき、特色科目で学んだことを発表するための掲示資料を作るときなどに大いに生かされることだろう。情報科の授業が学校全体・生徒全体を変えるといっても過言ではない。
インターンシップ全日程を通して、インターンシップに参加しなければおそらく知り得なかったことをたくさん習得することができた。また、自分の教員志望の意思がより強くなったと感じている。今回の経験をバネに、より深く勉強・研究していきたいと思う。
私がこのインターンシップを通して得たことは、大きく2つある。具体的な授業づくりの仕方と、生徒のやる気を引き出す方法だ。インターンシップでは先生の授業で生徒のサポート役をやることで、先生の授業と生徒の反応を同時に見ることができた。また、講座が終わった後には先生から授業づくりのノウハウを教わった。
よい授業は、先生の周到な計画と準備によって作られていることが分かった。カリキュラムは生徒がスムーズに学習できるように配慮して作る必要があり、教材もそれを助けるように作らなければならない。例えばインターンシップ中の講座では、DTPソフトで画像の色の変更方法を学ぶタイミングで、色の学習を行った。また授業中にやった課題には、すべて最終課題へ活かされるような技術が含まれていた。一つ一つの課題をこなすと、自然と最終課題をやるだけの力が付くようになっていたのだ。
そして、授業計画を滞りなく進めるにはそれなりの準備も必要になることも実感することができた。生徒の能力はまちまちで、中には集中を切らして話から耳をそらしてしまうものも出てくる。そんな中、遅れた生徒をフォローできるように、授業では必要な事項が書かれたプリントを配布していた。
また、生徒のやる気を引き出す方法として、「操作例を遅らせ、生徒の行動を促す」、「最初の作品を特に大切に扱う」、「ゴールをチラつかせる」ということを教わった。パソコンを使った授業などで、先生の操作を遅らせて生徒に先にやらせることで、例を見るだけで満足する生徒を減らすことができる。生徒が作った作品を大切に扱うことで、演習の意義を高めると生徒のやる気も高まる。ただし、ずっと丁重な扱いをしていると教師の負担が大きいので、最初の課題だけ特に大切に扱うようにする。さらに、授業中に最終課題の例を折に触れて見せておくことで、最終的に何をするのかを生徒に意識させ、今学んでいることが何の役に立つかを考えさせられる。
これらのノウハウはDTPの授業に限らず使えるものだと思うので活用したい。
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