情報部会:21年度第6回研究会
神奈川総合高校にて、標記の研究会を実施した
予定は10時~16時30分で、テーマは「情報の授業・実践事例報告会と新指導要領情報交換会」ということだが、情報科の教職課程に関わる5大学7名の教員や学生が参加するため、情報教員採用試験についても時間を取ることになっていた。
しかし、30分×8本の実践報告の内容が濃く、また質疑応答が盛り上がったため、これだけで16時を過ぎた。ポスターセッションを含む昼休みも45分に短縮したほどだ。これは、急遽司会をすることになった私の不手際でもあるが。
報告の内容が幅広かった。下は「情報C」で行なった3DCGとDTMを統合するマルチメディアの実践を紹介する川崎市立橘高校の先生、「情報A」で学校全体が情報を活用する基盤を作り上げることを紹介する県立金沢総合高校の先生。
その他、ペルソナ法を簡略化して高校生のグループワークに試行された実習、図書館で書籍を探す実習を通して、情報の収集や整理の基本的概念を学ばせる実習など、初めて発表する先生からも興味深い報告があった。
「ウェイソンの4枚カード」を題材に、「表現と内容の理解」というテーマでワークショップを行なった海洋科学高校の若林先生。解答が高校の授業での実測と今回の実測で、ほぼ同一の分布をしていることが確認された。
「アルコール問題」では4に演技協力してもらったが、大学生、大学教員、新採用教員、高校教員が参加してくれた。なかなか良い雰囲気で発表が進むので、質疑応答も盛り上がる。
ベテランでは情報部会幹事長の湘南台高校諏訪間先生が、「話し合いの授業の進め方のコツ」として、メディアリテラシーを題材に、グループ実習の模擬授業を行なった。テンポよく的確な指示によって、参加者は気持ちよく話し合いや発表をすることができた。
下の右のグループは、大学教員、出版社職員、新採用内定者、若手教員という面白い組み合わせ。初対面だが、話がはずんでいる。
今年で2年目になる新採用1期生2名が発表。特に若い方の教員は、発表を依頼されて不安だったけど、実際に発表することで考えがまとまったり、達成感もあってよかったと本音を語る。
この若手も、グループワークを行なって会を盛り上げる。指導技術としては諏訪間先生の域に達しないが、若いことはそれだけで武器になる。
それぞれの発表に会場から質問が出る。大学の先生からの鋭い質問には、司会からもフォローする。不完全燃焼にならないよう、時間制限なしで質問を受け入れた。
下の左は、NHKの高校講座「情報A」の講師でもある専修大学望月先生。参考までに、この番組の講師には、神奈川情報部会(元)の小林道夫先生、田邊則彦先生もいらっしゃる。
教室の左右の壁には、旭高校の先生と私のポスターセッション用の掲示。旭高校の先生は、青空文庫の作品をもとに作らせた絵本の作品を掲示された。(私の展示は昨日のエントリで紹介しました。)掲示が定型でないところが、会の雰囲気を和らげて良いと思う。
■16時10分より、短縮して15分、新学習指導要領の情報交換。
交換という時間は取れないので、私から夏の第2回全国高等学校情報教育研究大会における永井視学官の話を使って、「情報の科学を選ぶか否か」という問題解決に繋がる情報を提供。また、総合教育センターの西村氏から、新教育課程に対応する教材開発を行なっていることを説明していただいた。
■さらに15分、教員採用試験の問題と神奈川県の採用状況を解説。
試験問題のレベルと対策。今回は5名の合格者に対して、現在で2名しか名簿搭載されていないことなど、教員を目指す学生や指導する大学教員にも参考になる情報を提供した。今年度の新採用2名からも、合格の秘訣のコメントを発表してもらった。
■16時40分より、高校サッカー通信でも有名な柴田功指導主事から、激励の言葉をいただく。今回の発表会は新人、ベテランが入り混じれて「紅白歌合戦のようだ」という言葉が印象に残った。
■その後、7名の大学教員から、発表会の講評をいただく。
途中で17時のチャイムが鳴るが、参加者はしっかり最後まで聞いている。一緒にワークショップを行なったので仲間意識ができている。
全員から、有意義な発表会であったことを評価される。大学教員にとっても貴重な体験ができ、良い勉強になったと。
次世代の情報科教員を育成することに役立てていただければ、これ以上の喜びはない。研修委員会では、また来年も実施する予定である。新採用2期生にも、発表の予告をしておいた。
□全てが終了後、東白楽で反省会。情報部会の顧問であられるK校長先生も駆けつけてくれました。
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