高校教科「情報」シンポジウム2009春
10時より、略称「ジョーシン09春」に参加。
未明からの強風で、各地の鉄道に遅れが出ていたが、開始時刻には雨風が収まってきた。昨年度のジョーシン07も台風だったことを思い出した。開通した地下鉄副都心線を利用して西早稲田駅で降りると、出口は早稲田大学理工学部のキャンパス内。アクセスが抜群になったが、キャンパスの8割は昔のまま。
参加者は100名強で、約半数が高校教員。神奈川からは、知るところ教員3名、指導主事1名が参加した。
会場は、電子通信学科1年次に情報処理演習の授業を受けた52号館201教室。スクリーンが設置されたことと、机が新調されたことを除けば、30年前と変わらない。
当時は、プログラムをカードに穿孔して電算室に提出していたので、モニターやプリンターなどに触れる機会がなく、情報処理の授業はこの教室で十分だった。
筧先生の開会挨拶の後、午前中は文部科学省初等中等教育局視学官の永井克昇先生の「教科情報の新学習指導要領とその考え方」という、タイムリーな基調講演。解説書は6月下旬から7月にWeb公開される見通しという。そして、滋賀大学の松原伸一先生の「学習指導要領の改訂と情報科教育の展望~文理融合の情報学をベースにして~」という招待講演。どちらもテンポが良く、「社会と情報」「情報の科学」の科目ができた背景など、興味深い話も伺うことができた。
ちょうど出版されたばかりの情報科教育法(改訂2版)の前半を読んでいたことが役立ち、話の内容が良く分かった。
昼は、夏の全国大会の準備を進めておられる茨城の津賀先生と、57号館地下の学食へ。ビュッフェ形式になっており、天井や壁が白くきれいになっているが、これも思い出深い場所。この壁面にメニュー棚があったな、と感傷に浸る。
午後は、聖心女子大学の永野和男先生の招待講演「情報で求められる情報活用能力とその評価」。以前伺ったことのある同大学のプレゼン入試の話の他、開発中の支援ツールを紹介していただいた。
最後にパネルディスカッション「新しい情報科の姿とは?」。
パネリストは橘孝博先生(早稲田大学高等学院教諭)、佐藤義弘先生(都立東大和高校教諭)、森夏節先生(酪農学園大学准教授)、中野由章先生(千里金襴大学准教授)、司会は、辰己丈夫先生(東京農工大学准教授)。
中野先生は、商業科・工業科・総合学科・情報科の校数を比較している。
全国に500校の設立を目指している総合学科では、様々な教科から専門教科科目25単位以上を設置することが必要。つまり、総合学科高校での専門教科情報の科目開講数は相当な数に昇る。日頃から考えているのだが、総合学科高校を視野に入れて専門教科情報について議論することがあっても良いだろう。そのためには、総合学科の情報科教員の参加が必要だな。
司会進行は、会場からの質問を上手く引き出している。しかし、このシンポジウムの結論のようなものは出せなかった。5月23日の情報処理学会コンピュータと教育研究会の研究発表会にてこの続きを行うというが、意見をまとめることは大変だと思いました。
来年度のジョーシンは、秋にこの場所、春に関西で行なうという。
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