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2008年2月29日 (金)

情報A:Webページ作成

情報Aの授業では1月からWebページを作成しており、ほぼ完成してきた

どの教室のPCにもIrfanViewというレタッチソフト、MKEditorというタブ式エディタをインストールしてある。この2つのフリーソフトで規定のページを作りながら画像処理とHTMLのタグを覚え、今ではオリジナルのページの制作に熱中している。

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エディタとブラウザ、そして作業フォルダの階層表示、この「3点セット」を並べて作業するように指示している。作業フォルダから、タブ式エディタとブラウザにドラッグして、編集の感覚を覚え、階層式表示によりURLの指定を理解させることができる。

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オリジナルのページでは、自由にテーマを決めて素材収集を行う。素材は、携帯のマイクロSDからが6割、デジカメからが1割、スキャナーが1割、残りは自分で描いた絵を使っている。著作権を気にしているので、自分で撮った風景やペットの写真や、イラスト、書道などの作品が多い。親の自慢料理を写真に撮り、レシピを作っている生徒もいた。

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DTP入門の授業選択者は、自分の作品をキャプチャして使っている。ちょうど、年間の作品を紹介するために三つ折チラシを作っており、そこでキャプチャの使い方をマスターしている。Web版のポートフォリオが出来ていく。
右の写真はペイントを使って絵を描き、リサイズしてからGIF形式で保存する。一つの教室でも様々な素材作成の様子が見られて面白い。

3月10日の期末試験最終日までにサイトを完成して提出することになっている。試験後の授業で相互評価をし、今年度の授業を終える。他人の発想や表現方法を見ることが、今後の発表活動の糧となる。

■このクラスは作品のレベルが高いし、つまづいている生徒がいない。通信制大学に通っており、来年度の教員採用試験を受ける元社会人が、帰国子女の生徒をサポートするための学習ボランティアとして参加している。この生徒は日本語の授業に慣れてきたが、学習ボランティアのサポートの成果は大きい。

副産物だが私と彼がサブとして3人体制で授業を行っているので、恵まれた学習環境である。
今後も、このような環境を作ることができるように工夫をしたいものだ。

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2008年2月28日 (木)

政府インターネットテレビ

NPO情報セキュリティフォーラムの方より「政府広報オンライン」を紹介された

首相官邸のHPは知っていたが、この動画サイトをはじめて知った。
しばらく、収録されているコンテンツを見て回った。ライブラリを見ると、メディアの利用が上手いとされる小泉内閣時代、2005年1月から始まったことが分かる。チャンネルは「総理の動き」「内閣官房長官会見」のようなものから、「地球環境」「地域の元気」のようなものまで。さすがに良く整理されており、授業で使うこともできそうだ。

2月2日に「情報セキュリティの日」シンポジウムに参加した。2月前後は各地で情報セキュリティに関するイベントが展開されており、このシンポジウムはその一環である。当日、短いインタビューを受けたが、そのカットが「めざせ情報セキュリテ先進国」という番組の中で放映されたという連絡を受けた。

2月21日(木)21:00~21:30に「日経CNBCチャンネル」で放送され、今週になってWebにアップされたらしい。確認すると、28分の番組のツカミの部分で10秒程映っていた。

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2008年2月27日 (水)

プ会D:テーマは「高大連携」

18時より情報科学専門学校横浜西口校にて、プログラミング・情報教育研究会に参加

参加者17名の内訳は、大学から6名、高校は神奈川から7名、東京都から2名、千葉から1名。初の神奈川開催で、神奈川からの参加者が多かったことは嬉しいが、諸般の事情で大学からの参加が少なめなのが残念。
情報科学専門学校には、普段からお世話になっているが、会場の提供にも快く応じていただいた。お礼を申し上げます。

今回のテーマは「高大連携」ということで、大学側からは、千歳科学技術大学の高岡 詠子先生と武蔵工業大学の小池星多先生。

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高岡先生は、おととしのSSS2006での発表を伺っており、E-Learning教材のPCマエストロでも存じている。この他、高校生が大学の科目履修を行うという形での高大連携を行っていて、その苦労を紹介してくださった。

小池先生は情報デザイン研究室の学生チームが、「学習環境をデザインする」ために係属の高校の情報と物理の授業を支援したことを紹介。特に物理の授業では、波の合成などのシミュレーションを体験させるために、Squeakで学ぼうのサイトやテキストを開発して、教えている。ゼミの研究活動を高校の授業と結びつけた、珍しい高大連携のタイプだ。

高校側からは、県立湘南台高校の諏訪間先生と私からの事例紹介、都立町田高校の小原先生からの提案。

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諏訪間先生からは、今年度は9大学の授業にのべ21人が受講した例、文教大学の学生が情報の授業の補佐をするインターンシップの紹介。参加された文教大学の先生2名からも、補足があった。

私は、夏休みの短期集中講座へのインターンシップ受入れの事例を紹介して、新採用教員に求めるスキルを提示し、高大連携によって次世代の教員を養成しようとアピールした。

小原先生は、高大連携推進校として出前授業を受けたことなどをさらっと話し、今後の高大連携の可能性について提案された。大学・高校それぞれのソリューションを整理して、それぞれの組合せにおける連携形態を考えるというアイディア。本日の研究会を上手くまとめていただいた。

20時15分からの懇親会でも議論は続き、23時を回ってしまった。

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2008年2月26日 (火)

産業社会と人間:発表会の様子

総合学科高校の必履修科目「産業社会と人間」の発表会

1年次生が年間で学んだことを振り返って発表する。なるべく多くの生徒が発表に関わるようにと、昨年度までは、3会場または4会場に別れて、発表を行っていた。今年度は、多目的ルームで年次全体での発表会。3分から5分の発表を18本。3分の1の生徒が本日のプレゼンに関わり、残りの3分の2の生徒は、廊下に掲示する壁新聞による発表に関わった。

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年次の生徒でちょうど一杯になる多目的ルーム。プロジェクター3台、ビデオカメラ2台、PC2台、天井からの照明施設。発表会となるとこれらの準備と設定を担当している。
右の写真は、次の発表者が待機しているところ。事業所見学でTVKとヨコシネDIAに行った経験を手作りのパネルを使って紹介するグループだ。

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左の写真は記録用ビデオカメラからステージを見た様子。発表者とスクリーンが一体化して録画されるように配置を工夫している。上からの照明は、スクリーンに当たらず、発表者と司会者のみを照らすように設定している。

右の写真は、司会者席から中央スクリーンへのプロジェクターと、発表者のアップを投影するためのカメラ担当を写している。今回から、中央スクリーンへのプロジェクターの出力端子からスクリーンと同じ画面をモニターに映し出し、発表者が会場を見ながらも、スライドを確認できるように工夫した。奥の台の上にあるプロジェクターからは、プログラムを投影している。

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このグループは、紙人形芝居で科目選択の単元を振り返っている。1年次では週2時間(木曜午後)だけの自由選択科目だが、2年次からは、大学のように各自が自由に時間割を作ることができる。専門性が高く、興味・関心に応じた科目も多いが、必履修科目や順序だてて取る科目、そして受験に必要な科目を抑えながら履修登録をしていく。時間割を完成していくまでのプロセスを紹介している。

この発表の中から、「産業社会と人間」からの代表発表が選ばれ、3月24日に、2年次の「コミュニケーション」・「視点」と、3年次の「探求」の各代表者と共に、総合学科全体の学習成果を発表する会を行う。昨年までは体育館で行っていたが、今年ははじめて外部の施設を借りて行う。
機材を担当するので、これから企画を立てていく。

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2008年2月25日 (月)

校内発表会の前日

明日は「産業社会と人間」の学習活動を振り返る年次発表会

このような発表会の前日はPC教室でスライド作成やリハーサルをする生徒が多い。毎日19時に施錠に回るのだが、予想どおり、生徒が残って作業をしている。苦労をねぎらいながらPC教室3部屋から退出させ、施錠するのに30分かかった。いつもながら「嬉しい」苦労だ。

例によって明日も多目的ルームでの発表会。スクリーン、プロジェクタ、PC、提示用ビデオ、録画用ビデオ、そして照明など前回の発表会の記録を見直して、機材を準備する。ブログは備忘録になり、Googleリーダーがその目次を果たしている。

今回に備えて円形のレーザーポインタを購入してある。成果はいかに?

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もったいないから始めよう

環境学習を推進されているN先生の現代社会の授業より

4校時に、県の環境計画課の方3名と横浜市大の学生2名がサポートして、環境保全を啓発する授業が行われた。私は、後半から見学させていただいた。

080225eco00_2生徒は、グループ内で話し合いながらこのワークシート(クリックして拡大)に記入していた。あなたがすぐにできることはどれ?と、9項目があげられている。これらの項目は、県環境計画課内「かながわ地球環境保全推進会議事務局」が作った、「マイアジェンダ=私の実践行動」登録シートから、「アイドリングストップやエコドライブに取り組みます。」を除いたもの。
「ごみを分別する」「レジ袋を断る」など、自分が実践しようとする環境に配慮した行動を登録(=宣言)し、日々の生活の中で実践してもらうという狙い。

『「もったいない」から始めよう!』というタイトルのワークシートでは、個人の優先順位をつけた後、話し合いでグループとしての優先順位を決定する。さらにグループの代表が全体に理由を述べながら発表する、という展開が工夫されている。

環境保全意識と行動実践を啓発する効果が期待できる。かながわの環境のサイトからも、マイアジェンダを登録することができるので、ご覧いただきたい。個人登録には、全項目バージョン(35項目)ともったいないバージョン(10項目)がある。後者は、35項目の中から「もったいない」に関連する10項目になる。

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同じグループ学習であっても、外部の方が見えて説明をいただくので、生徒のモチベーションも高まる。県環境計画課の方に伺うと、今回がはじめての試行であり、今後も学生の環境学習に役立てたいということであった。

外部と関わりながらという、総合学科らしい授業展開。管理職も目を細めて見学していた。

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2008年2月24日 (日)

小池情報デザイン研究室「卒業研究展」へ

午後、世田谷ものづくり学校にて、標記卒業研究展を見学

小池情報デザイン研究室は、武蔵工業大学の環境情報学部にある。けして美術系の学部ではないので、一般の学生に「情報デザイン」を指導していることになる。次のカリキュラムにおける、専門教科情報の新設科目「情報デザイン」を先行しているものとして注目している。小池先生は、教科情報の教職課程の担当でもあられる。

今日が最終日で、展示発表の他に、プレゼン発表も行われた。

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ポスターセッションの形式の展示発表では、3年次生から修士までが丁寧に説明してくれる。発泡スチロール板に貼られたポスターのデザインも上手いし、モックアップの作品も良くできている。

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左の写真は、Squeak チュートリアルサイト「Squeak で学ぼう」を説明している様子。
高校の物理の授業でSqueakを使って波の合成のシミュレーションを体験させるために作ったという。研究テーマは「学習環境のデザイン」ということで、昨年度はSqueakのテキストを作り、今年度は動画付きのサイトを作ってきた。このSqueakを使った授業は東横学園で進行中という。夏の情報科の全国大会ではぜひ発表していただきたい。

右の写真はバスのモックアップ。「コミュニティバスのデザイン」という研究テーマで、高齢化する多摩ニュータウンをフィールドに、コミュニティバスを取りまく人々のネットワークを明らかにし、実際にバスを使う住民の活動からコミュニティバスのあるべき姿を考察している。住民などの話をする際に、この模型があることで、問題点発掘のヒントが得られるという。

この研究のプレゼンでは、横浜デジタルアーツ専門学校の浅野先生からコメントがあった。
何が不便かといっても、インタビューからは得られない情報がある。利用者は不便があっても自然と不便を解決してしまっているので、利用している状況をよく観察することが大切だ、と「民族誌学(エスノグラフィー)」の方法論を紹介した。また、モックアップを使って身体的な体験をしてもらうことも大切、と評価されていた。
浅野先生のエントリもどうぞ。

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Squeakを説明してくれる3年次生から、おもしろいPCを紹介してもらった。Wikipedia以外にも多くのサイトで紹介されているが、NPOOLPC(One Laptop per Child )のノートPCで、「XO」、通称「100ドルPC」とも言う。主に発展途上国の子供たちに廉価で使ってもらうために作られたもの。突起部分は無線LANのアンテナで通常はたたむ。電力サービスのない地域でも使えるように人力による電源供給装置も付属している。日本には10台くらいしかないそうだ。

■小池先生には、8月22日に武蔵工大世田谷キャンパスで行われる情報科の全国大会に向けて、ある相談にのっていただいている。とても協力的で、快く引き受けてくださった。感謝!

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2008年2月23日 (土)

情報科学専門学校「卒業研究代表者発表会」へ

午後、情報科学専門学校の卒業研究の発表会を見学

情報科学専門学校には横浜西口校新横浜校があり、ジャンルが少し異なっている。全学科の卒業研究の展示会と平行して、特に優れた成果の研究の発表会が行われた。

6本の発表の内、後半の3本の発表を聞かせていただいた。

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  • 組み込みロボット技術~自作飛行船の製作と制御
  • 円周率計算分散処理アプリケーションの開発
  • レゴライントレースマシンを用いた組み込みシステムの研究
この3本は、それぞれ、情報処理学会MDDロボットチャレンジ2007飛行船コンテスト、日本情報処理開発協会主催U-20プログラミングコンテスト、社団法人組み込みシステム技術協会主催ETロボコン2007、にて受賞・入賞している。

このようにコンテストを目標に研究を進めるということは、楽しく、また取り組みやすいだろう。本来、何もないところから自分で問題を発見して解決していくという力が大切だ。しかし、これらのコンテストでは工夫の範囲が広いので、この年齢では十分なトレーニングになると思った。

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特に飛行船の研究は高校生にもインパクトがあるだろう。ぜひ本校の「ロボット入門」の授業で実演して欲しいとお願いした。この研究をしている仲久保研究室には5月17日に生徒を引率している。引率していった生徒のことを覚えていてくださり、進路が決まっていなかったらぜひどうぞとラブコールを受けた。

■3つの発表はどれも面白かった。一般の高校教員や高校生にも公開すればよいのにと思う。

【2/28追記】情報科学専門学校新横浜校ブログでこの記事の紹介をいただいた。

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神奈川県高校入試より:書く力

一昨日行われた神奈川県公立高校学力検査の問題より

2月21日に学力検査、22日に採点業務に関わった。
今年度の問題の顕著な特徴として、「漢字○文字で書きなさい」という神奈川では新タイプの設問が、国語は当然としても、数学・理科・社会で出題されたこと。教科を横断して「書く力」を見よう、育てようという狙いだろう。

新聞には問題と答え、採点基準が公開されている。数学では「対頂角」、理科では「柱状図」と「蒸散」、社会では「律令」「前方後円」「国民」「南北」という語が相当する。漢字の表記については、中間点を設けず、誤字、脱字は誤答とする。また、疑問点は複数の採点者によって判断し、校内で統一すること、となっている。

2月11日のエントリでも触れたが、1月27日の朝日新聞の一面に、「入試に国語リスニング 公立校今春8県に拡大」という記事があった。朝日新聞の取材によると、青森、島根、岡山、山口、佐賀、鹿児島、沖縄、千葉が国語でリスニング(聞き取り)を採り入れ、東京都も先行県の問題を取り寄せ検討中とのこと。

これらの動きから、国語力を育てようという狙いが高校入試に表れてきており、何らかのガイドラインが示されているものと推察する。この辺り、様々な考え方があると思われ、敢て深入りしないが、そろそろ「情報」についての問題が出題されても良いのではないだろうか。大学入試での実施については議論されることもあるが、今後の社会を担う世代への期待として、高校入試の段階で意識される時代では?

本日は東京都の公立高校の学力検査が実施されている。
どのような問題が出題されるのだろうか。

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2008年2月22日 (金)

東海道・山陽新幹線の車内ポスター

たまたま乗った京浜急行 Blue Sky Train の車内ポスター

夜の会があったので車を置いて電車で通勤した。京浜急行といえば赤い車両を思い出すが、時折、青のBlueSkyTrainが運行している。たまたま川崎~横浜間で乗ることになった。

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まど上広告、中吊り広告、そしてステッカーというあらゆる車内広告が、JR新幹線で一色。路線図以外は全て!
広告の内容は、3月15日からダイヤが変わり、N700系の本数が増えること。そして、3月29日からEX-ICサービスがスタートすること。

なんで京急なのに?とびっくりして、しばし考える。

そうか、全列車が品川・新横浜に止まるようになることは、品川で接続する京浜急行にもビッグニュースなのだ。新横浜へも横浜からのアクセスが良くなるし。
JRと京急がタイアップした広告戦略なのだろうと納得。

広告料金が気になったので、帰宅後、DTPの授業でも紹介したことのある春光社のサイトで調べた。

京浜急行では、B3ワイド(B3を横2倍のサイズ)の中吊りが、2・3日×800枚で、940,000円。B3ワイドの少し高さが狭い窓上広告が、1ヶ月×800枚で、2,300,000円。ステッカーは1ヶ月×600枚で、560,000円也。これが、BlueSkyTrain全車両を埋め尽くすとするといったいいくらになるのだろうか?

なお、乗り換えた普通車両では、このポスターを見なかった。

■DTPの授業で紹介した内容として、春光社のサイトから「他メディアと比較した場合の車内広告の優位性」を引用させていただくと、

  1. 「目立つ」「自然に目に入る」という視覚情報発信力が高い

  2. 日々の移動空間がもたらす反復接触効果、情報深化効果
  3. 「話題のもとになる」「流行がわかる」というトレンド情報発信力
  4. 「商品やサービスの購入・利用のきっかけとなる」というリーセンシー効果
このほか、まど上ポスター・ドア横ポスター・中吊りポスター・ステッカーの効果の違いなども紹介されている。

車内広告は、「広告」を教える際に、とても分かりやすいネタである。週刊誌の中吊り広告では、誌名が下のラインに横書きである理由など、少し考えれば分かることである。DTPに限らず、普通教科「情報」の授業のネタとしても使える。

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2008年2月21日 (木)

「クレジットカード産業の情報セキュリティ国際基準」セミナー

18:30~20:30、情報科学専門学校横浜西口校にて標記のセミナーに参加

主催はNPO情報セキュリティフォーラム。情報セキュリティ大学院大学と連携しており、セキュリティ関係のセミナーを頻繁に行っている。

本日の内容は、今までのセミナーの中でも高度なもの。国際的なクレジットカード産業向けのデータセキュリティ基準であるPCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)監査プログラムを、日本常用処理開発協会(JIPDEC)から認証を受けている23団体のひとつである国際マネジメントシステム認証機構の瀬田陽介代表取締役社長から紹介していただいた。

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写真は開始10分前の様子。参加者は20名を越すが、クレジットカード産業に関わる企業の方がほとんど。「ISMSまたはPマークを取得の企業の方は?」という質問に、ほぼ全員が挙手。場違いを感じる中で、情報セキュリティ最前線の監査基準であるPCIDSSの解説と、今後の監査基準の動向、企業現場からの質疑など、非常に密度の濃い2時間を体験した。

分からない専門用語も多かったが、ISMSは業種を問わない広域な領域への適用を目的として設計された基準であり、PCIDSSは、クレジットカード関連情報の保護を目的としたものであること。両者の8割が重複しているということは分かった。

クロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションという外部からのハッキング行為以上に、内部からの攻撃に対する姿勢には一層の厳しさを感じた。共有アカウントや特権ユーザにも厳しいチェックが入る。全てのアクセスを追跡して監視するために、システムクロックと実際の時刻を同期させるNTPサービスも「商用のNTP」を使うぐらいの厳しさである。

参加者からこぞって質疑が出された様子に、企業の責任を背負っている方々の意気込みを感じた。またひとつ「職業観」の勉強をすることができた。

■参考までに、次回のセミナーは3月18日(火)14:00~16:00。
テーマは「教育現場における著作権問題」
神奈川県教育委員会が後援なので、管理職判断で出張扱いになるだろう。

また、参考までに。情報セキュリティ大学院大学の修士論文発表会が2月23日(土)9:30~16:00。自由参加ということだが、情報科学専門学校の卒業研究発表会と、はしごして寄れるか。

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2008年2月20日 (水)

町田高校の授業見学

都立町田高校にて、情報Aの授業見学をさせていただいた

町田高校の情報Aでは、「総合実習」と称して「問題解決型プロジェクト学習」を実践されておられる。4人のグループでテーマ(身近な疑問点や問題点)を設定し、情報機器を駆使しながら解決してわかりやすく発表する、というもの。発表のクラス、発表直前の「プレ発表」のクラスを連続して見学させていただいた。発表活動を高校の情報教育の柱としていることで、とても共感を覚えた。指導されている先生のエントリの補足として紹介させていただく。

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左の写真は、PC教室の隣の準備室で、グループ毎に「プレ発表」つまりリハーサルを行っているところ。次のグループが聞き手役となり、質問を行う。その上で、担当の先生から厳しい指摘を受ける。生徒は、次の時間はクラス全員の前での本番発表となるので、アドバイスを受け止めてすぐさま改善作業に向かう。

グループ発表というと、積極的に取り組む生徒とそうでない生徒が出てしまうので評価が難しい。町田高校では、発表はグループ全員の評価だが、個人レポートで個人を評価するという話を伺った。個人レポートは総合実習を振り返るもので、自分が総合実習の中で取り組んだことを、「私」を主語にしてアピールするように指示されている。生徒一人ひとりの力を伸ばしたい、というきめ細かな配慮である。

授業後の小原先生との懇談では、総合実習のグループ作りや、テーマの決定方法、研究方法、発表方法、そして評価方法と、4年の実績の中で確立してこられたことが伝わってきた。まさに、先生自身が、効果的な教科指導という問題解決プロジェクトを行っているということです。勉強になりました。

横浜清陵総合高校でも、1年次の事業所見学の報告プレゼン、2年次のインタビュー実習報告、そして3年次の課題研究発表に代表されるように、キャリア教育と発表活動を絡めて生徒を育てている。町田高校の「総合実習」には、本校の教育と近いものを確認して帰ってきた。

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2008年2月19日 (火)

第D回プ会の案内

来週27日(水)、プログラミング・情報教育研究会が神奈川で初の開催。

月例で開催しており、私も最近参加させていだいている。名前の割りに気楽な雰囲気。大学、高校、専門学校の教員、学生、社会人など事前に申し込めば、自由に参加できる。

今回のテーマは「高大連携」ということで、高校側から、東京・神奈川の事例を報告する。私も報告させていただくが、文教大学と連携している事例を湘南台高校のS先生からも報告していただく。

入試等で忙しい時期ですが、参加ご希望の方は懇親会参加の有無と合わせてご一報を。

日時:2008/02/27(水) 18:00~20:00
会場:情報科学専門学校横浜西口校801号室
テーマ:高大連携
話者:高岡 詠子(千歳科学技術大学)
    小原 格(東京都立町田高等学校)
    五十嵐 誠(神奈川県立横浜清陵総合高等学校)
懇親会:20:10~(場所未定)

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2008年2月18日 (月)

静岡県高等学校教科「情報」研究会東部支部研修会へ

午後から沼津城北高校にて、標記研修会に参加

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富士山を裾野から一望する立派な校舎。
静岡県は広い面積を持っており、東部・中部・西部に分かれて部会活動を行っている。本日は、東部の研修会に参加させていただき、教科指導について情報交換を行った。

隣県からの参加者としての挨拶の際、今年の8月22日に予定している第1回情報科全国大会のPRをさせていただいた。静岡県の実行委員であるK先生も参加されていたので心強かった。

私からはトレースをしながらベクトル描画を教える実習。左のナビにある、マイフォト>「ベクトル描画の手ほどき」の7番目からの内容をPowerPointの上で操作する。作品例を分解して構造を知り、造り方を理解する。次に、用意した下絵をトレースしながら、ベジェ曲線の特性を理解する。基本が分かったところで、トランプの4つのマークをトレース。

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早く終わった方には、適当な画像を用意して模写していただいた。難易度の高い作品にチャレンジされる方もいて、静岡県の先生方の意欲を感じた。

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沼津城北高校の先生からは、情報Aで扱った、表計算ソフトのマクロを使って動くインベーダーを紹介していただいた。他の先生の教材からヒントを得ており、条件付書式でセルの色が変わるというのがミソだそうだ。
なるほど、面白いネタを紹介していただいた。やはり、足を運んで情報交換をするのが一番だ。

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2008年2月17日 (日)

デジハリ:MovableTypeプレ講座

昨日16:30~20:30、デジハリ渋谷校にて標記の体験講座に参加

080216movabletype00直前まで、ICTEの研修会でWebデザインの進化について勉強をさせていただいたばかり。ちょうど内容も一致しているが、CMSを使ったWebデザインのひとつであるブログを構築する実習。来月から開講する講座の体験授業で、前回のプレ講座ではキャンセル待ちとなり、この追加講座に参加することになった。前回の様子は、講師の矢野氏のブログで紹介されている。20名の参加者のほとんどは、デジハリ生または卒業生のようだ。体験講座といっても今回は有料なので、TAもついて活気あるものだった。

■まずブログとCMSの基礎知識、およびMovableType(以下、MT)の概要の説明。個人利用では無料であり、バージョン4になって使い勝手がよくなったそうだ。このMTを使いこなすことで、Webサイトを簡単に運用することができ、その技術を教えるための講座が開設される訳だ。Webシステムの進化は、Web制作者泣かせだが、デジハリには富をもたらす!

2007年の発表では、ブログ検索エンジンTechnoratiが追跡しているブログの数は全国で7000万で、そのうち日本語で投稿された記事数は全体の37%で英語圏を抜いて1位だそうだ。

■次に、MTの利用例としていくつかのサイトの紹介があった。
ショッピングサイトベネトン・ジャパンでは、ブログとは思えないようなレイアウト。そして、ECKitというMTと連動できるECパッケージを利用している。

幼稚園から大学までを持つ和光学園のサイト。この中の中学と高校のページはMTで作り、担当教員が更新しやすくしている。

デジハリのサイトも。サイト全体はMTで、各校ごとのブログはTypePadを利用しているという。ちなみに、デジハリ生はNEXUSというSNSに参加するが、これはOpenPNEだろう。

2008年春に関西の初店舗となるIKEAポートアイランドを開店する。このポートアイランド店が「できるまで」の様子を追うという異色のIKEAのサイト

■ブログを運用していない受講者もいるので、MTがどんなアプリケーションであるかを、講師がデモンストレーションする。更新作業やデザインを変える、投稿する画像をドラッグで位置やサイズを変えたりした。

■いよいよ実習の開始。まず、サーバスペースを用意する。レンタルサーバサービスヘテムルの利用登録をする。登録後15日間の無料お試し期間がある。さらにヘテムルのコントロールパネルにログインして、データベースを作成する。

■本来ならばSixApart社からダウンロードするが、トレーニングライセンスで入手してあるMTのアーカイブを解凍する。IEのFTP機能を使ってサーバにアップロードし、CGIファイルのパーミッションを設定。

■MT4のインストール作業はすべてブラウザ上で行うことができる。
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インストール直後のページ。さらにキャプチャ認証機能を設定。

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StyleCatcherを使った簡単なデザイン変更や、テンプレートタグの編集。ブログは複数設定することもできる。
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隣の席の人と、コメントやトラックバックの練習。ブログを使っている人でも、トラックバック機能を知らない人が多かったのには驚いた。

この日は一日CMS漬けだった。

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2008年2月16日 (土)

ICTE:Webデザイン講習会(1)

ICTE東京支部の、標記講習会に参加。3回の企画の第1回目。

13:00~16:30、渋谷にて。テーマは「ちょっと話せるWebデザインの進化と歴史」。講師は、京都に住む、デジタルハリウッド大学院大学客員教授であり、ウェブマックス株式会社代表取締役社長の渡辺康一氏。和服姿をトレードマークにしておられる。

休み時間に話を伺うと、かつてデジハリ京都校で講師を務められており、私がデジハリ横浜校・渋谷校でお世話になっているN鈴氏も教え子だという。

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講習の内容は、都のF先生のブログを参考にされたい。WAO!とデジハリで、DTPそしてWebを学んできた身でもあるので、Web文化の進化の中でWebデザイン業界の苦労がよく分かった。渡辺氏は言及しなかったが、ActionScript3.0はいい加減なWebプログラマーでは通用しないし、今後のAIR環境もにらみながらCMSやSaasの勉強をしていかなければならない。Webシステムの進化に着いていけないWebデザイナー・Webプログラマーは脱落していくのだろう。レガシーブラウザへの対応に苦慮するCSSコーディングも、これからのブラウザに対応させるための更新作業は想像を絶する。特にWebのデザイン(作る)では仕事にならず、最新の技術を使いこなせないといけないのだろう。・・・これは、デジハリの短期講座が常に更新されていくことでも良く分かる。

Webデザインのためのワークフローについては、デジハリの授業で学んだことの復習だった。その上で、かねてから存在は知っていたがInternetArchiveのサイトの授業での使い方や、モバゲータウンの利用状況、MovableTypeが日本でもてはやされている状況など、我々教員がバックグランドとして持っていたい知識を吸収することができた。

終了15分前、デジハリ渋谷校での研修のために早退させていただいた。講師の渡辺氏には事前にご理解をいただいたが、他の参加者にも失礼な行動であり、申し訳なく思っている。この場を借りてお詫びいたします。

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2008年2月15日 (金)

情報A:Webページ作成

情報Aの選択者は、校内で公開するWebページの制作中

次のように、各自のサイトの基本形を定めている。

Webpage

エディタを使って定型どおりのページを作成しながら、HTMLの理解を深めてきた。CSSには触れないでHTMLの基本タグのみで作成している。選択科目の紹介ページ、そして、MyPageというオリジナルのページを作る段階である。ここで、ページのレイアウトデザインおよび素材画像の収集から加工という一連の作業を覚えていく。

多くの生徒が、デジカメや携帯で撮った画像をSD、MicroSDからカードリーダで読み込んでいる。この作業技術も、生徒間ですでに既知のものとなっている。

中には、写真プリントからスキャンしたいという要望もある。本日は、半紙に書いた毛筆の作品を取込みたいという希望があった。これは私が作業をしたが、中央モニターでその操作の様子を映し出すと、影が取れていく様子を見て感動していた。要は明るさとコントラストの調整だけなのだが、画像処理のデモンストレーションにもなったかな。

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毎年、この時期にはWebページ制作をするが、年々生徒の作業効率が高まってきている。教える側の余裕も理由のひとつだろうが、生徒たちの基本スキルの向上が一番の理由だろう。

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2008年2月14日 (木)

コミュニケーション:教員から生徒へのメッセージ

毎週月曜の「コミュニケーション」の授業。担当教員の打ち合わせがあった。

私は来年度からこの科目の担当をさせていただく。その準備としても、この一年は取材を続けてきている。今日は、今年の担当者が来週の授業のための打ち合わせをしていた。後で聞くと、次回の授業では、教員が生徒へのプレゼンテーションを行うのでその打ち合わせだったという。プレゼンの内容は、この科目で成長して生徒を見ての感想でもよいし、一人の人間としての(自由な)メッセージでもよいという。教卓をはずし、体と生徒の間に隔たりがない状態でプレゼンをする。2月4日の生徒の発表の後だけに、生徒からは教員から何を聞くことができるのか、期待されている。

この科目は、TTで行っているが、リピーターの担当者が多い。理由を聞くと、この科目を担当することで、生徒が伸びることが分かるし、自分自身が伸びていくことが分かるからという。また、自分をさらけ出して教育することで、自分が試される「怖さ」と、科目を終えたときの達成感は、教育者としての意欲をそそられるというのだ。

来週の月曜日、この時間帯は出張が入っているので、残念ながら直接の取材はできない。生徒からの感想を聞くなりして、後日、報告したいと考えている。

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2008年2月13日 (水)

DTP入門:科目「産業社会と人間」の発表会ポスター

標記のポスターを校内に掲示。「DTP入門」を受講している1年次生の作品。

総合学科1年次の必履修科目「産業社会と人間」を、本校では「産人」と読んでいる。現在、1年次生はこの産人で1年間に学んだことをまとめ、発表会の準備をしている。このポスターを掲示することで、生徒に発表のモチベーションを高め、まだ総合学科に馴染んでいない教員にアピールする、というような効果を期待している。

すでに「DTP活用」の受講生の「探求(課題研究)発表会」のポスターが掲示されている。技術的には及ばないが、習ったベクトル描画のイラストを使ったり、キャッチコピーに挑戦する生徒もいる。

まずは、イラストやコピーに「メッセージ」を託した作品。

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まだ見たことのない発表会に期待を込めた会場のドア、学校生活の象徴である校舎と希望を表す青空、成長と緊張を表現するクリオネ、期待を込めたコピーを前面に出した作品。「情報デザイン」に取り組んでいると感じた。

次に、配色と文字レイアウトのデザインの中で、発表会の情報を盛り込んだ作品。

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楽しさは伝わってくるが、先に示した作品に比べると、訴求力が違っている。例えば、左の作品は、看板とネコ?のイラストにより、開催情報を告知しようという気持ちが伝わるが、発表内容への期待感を高める工夫が欲しい。

これらのポスターを見ながら、1年次生は発表会の準備を進めていく。

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2008年2月12日 (火)

DTP活用:InDesignで編集作業

先週の授業から2年次生のみとなり、InDesignを使った編集機能を教えている。

ページ物を編集する技術を体験するため、2時間×4回の授業でInDesignを扱った授業を行う。本日は2回目であり、マスターページの使い方と、マスターページの継承を理解した。画像やテキストの配置がIllustratorよりも楽であり、生徒の飲み込みは早い。

あと2回の授業で作成するものは、8ページのインタビュー実習報告書集。科目「コミュニケーション」にてインタビュー実習の報告書をA4一枚で作成している。どの生徒も文字数がほぼ一致しているので、一人ひとりの報告文に写真を加えて1ページとし、合計7人の報告ページ+表紙で8ページとなる。面付けソフトはないが、カラープリンタは両面印刷が出来るので、見開きの両面印刷2枚を重ねて綴じることになる。

本日は、残り30分で、左右ページを違うレイアウトでマスターページを作成。とりあえず自分の報告書からテキストを流し込み、文字サイズと行間値の適当な値を探った。

次回は、仮作品として、全てのページに写真とテキストを流し込んで印刷することを告げた。この仮作品を中綴じして(仮の)報告集を作り、本作品へのイメージを完成させる。その次が本番の作品を作成し、表紙も工夫を凝らす。その後の定期試験では作品をプレゼンすることになる。

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2008年2月11日 (月)

コミュニケーション:聞く力

県内の総合学科の中でも、本校の特徴として「プレゼンテーション能力」が取り上げられることが多いが、「聞く力」もさらなり。

■1月27日の朝日新聞の一面の、「入試に国語リスニング 公立校今春8県に拡大」というニュースを読み、「コミュニケーション」担当者と「さもありなん」と納得していた。学習指導要領でも「聞く力」の育成を国語の重要な目標に揚げているが、総合学科として、それを先読みしてカリキュラムを作ってきているからである。このことを書くチャンスを逸していた。


すでに紹介の通り、他校の様々な発表会に積極的に参加して自己研鑽している。その中で、本校の生徒の「聞く力」というものをあらためて感じることが多い。これは、本校が「新しい総合学科」として、意図的に仕組んできたものであり、その成果が形になってきたということである。私は開校年度から賛同してお手伝いをしてきただけで、それ以前にカリキュラムを固めた準備委員の方々の努力の賜物だと考えている。

(1)科目「コミュニケーション」の効果
本校の学校設定科目であり、2年次に必履修科目として設定してある。2月5日の記事で示したが、2年次で「コミュニケーション」を履修した3年次生が、この科目のインタビュー実習報告会(個人発表)のポスターに、次のような独自のコピーを記述している。

  • 聞く・話す・学ぶ
  • 聞くチカラ・話すチカラ
  • 3分間の空白… 限られた時間の中で彼らは どんなことを伝えるのか、 そして、あなたは何を感じるのか…
発表会をこれから体験する2年次生からは、これだけ的を射たコピーは出てこない。

この科目の前半では、「コミュニケーションスキル」と題して、聞く側のことを考えた様々な会話練習やラジオ放送を聞き取って要約を記述するなどのトレーニングを重ねている。2月4日の報告会の記事にある写真からも分かるように、その成果として、人の話を聞く態度が身についてきている。

(2)科目「産業社会と人間」の効果
総合学科が1年次で必履修としている科目。本校では、「社会人講話」の単元では様々な職種の方をお呼びして話を聞く、「事業所見学」の単元で様々な事業所へ足を運んで見学する、「福祉施設訪問」の単元では様々な状況にある人々の生活を知る。これらの体験から、他者に話しかけ、聞く体験を重ね、さらには単元毎に発表会を行って、違う体験をした仲間と体験を交換している。

1年次から「発表活動」を積極的に取り組み、(同じ時に違う体験をした仲間と)体験を共有しあうことが将来設計の財産になっていく。まだ「発表」することには慣れていないだけに緊張は大きいが、聞く立場になったときに話し手の気持ちが分かるようになる時期である。

(3)科目「情報A・情報B」の効果
本校では、「情報科学系列」という名の系列がある。「科学」と名がつくだけに、アルゴリズムやネットワークなどの教育にも重心を置いた科目配置をしている。ところが、理系の生徒は受験科目の単位数が多いので、理想的に選択科目を取ることができない。そのため必然的に「情報B」の選択を置いている。

普段は「情報A」と「情報B」の生徒は別々に授業を行っているが、産業社会の「事業所見学」の単元に合わせて、一緒に授業を行う時期がある。各自が選んだ事業所について下調べしてしおりを作る。見学後は、学んできたことをプレゼンテーションし、情報を共有する。「産業社会と人間」の科目では、行った事業所ごとのグループ発表だが、情報A・Bでは、個人発表を行う。この期間は敢て一緒に授業を行うという学校側の姿勢を、生徒は重く感じている。このことにより、「情報」も「産業社会と人間」のどちらの科目でも、発表内容が底上げされ、合わせて聞く態度も育ってきている。

この科目連携の仕組みを開校年度からつくり、改善して来た。現在の上級生はその影響を大きく受けて育ってきているのが分かる。

(4)インターンシップ・ジョブシャドウ・ボランティア活動の効果
インターンシップ活動は、1年次生と2年次生を中心に、単位認定を前提として、夏休みに4日ほどの就業体験と事前・事後指導を行っている。民間企業出身の校長の指導のもと、本校独自で開発してきた受け入れ先は誇れる資産だ。これも、行きっぱなしではなく、事後の報告会で体験を共有し合って価値を高める。
ジョブシャドウは、高校としては国内で第1号の実践事例でもある。毎年多くの生徒が、日揮株式会社のご協力で、社員に一日付き添いながら仕事の様子と社会人の心構えを学んでくる。ここでも聞く力の養成が行われる。裏話になるが、大学の推薦入試では、このジョブシャドウの体験をアピールしてくる生徒が多い。
ボランティア活動では、保育施設や養護施設に行くものが多い。報告会こそ行っていないが、学校外に出て多くの人と触れ合う中でコミュニケーション能力が大事なことを学んでくる。

以上のように、総合学科生として同時期に異なる体験をした仲間で「体験の共有」をする過程で、プレゼン能力と聞く力を育てている。今回の記事のタイトルのように、「聞く力」があることで、発表会が盛り上がり、総合学科としての学習活動への求心力となってきている。つまり、横浜清陵総合高校の伝統として根付きはじめている。


■やっと、横浜清陵総合高校設立の理念が柱として見えてきたところ。
これらの背景の中で、2年次の「コミュニケーション」で鍛えられているのが本校の特徴。3年次の「課題研究(探求)」では、生徒がインタビューなどのフィールドワークに行く力を持っていることを、指導教員が良く理解しておくことが大切である。他校よりも忙しい思いをする生徒に、卒業時の満足感、卒業後の満足感を持ってもらうために。

今、本校で必要なことは、それぞれの年次で、生徒がどのような体験をしてどのような力(特に「聞く力」)を身につけているかを、全ての教員が理解することである。

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2008年2月10日 (日)

文化庁メディア芸術祭

六本木の国立新美術館、標記のフェスティバルに行く

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地下鉄六本木駅から地上に上がるエスカレータ、壁面には文化庁メディア芸術祭のポスターが一面に。内容はアート部門・エンターテインメント部門・アニメーション部門・マンガ部門の展示・上映の他、先端技術ショーケースなど。面白いことに、Wiiが2台開放されていたが、実は「Wii Sports」がエンターテインメント部門の大賞だった。展示会場は満員で、人気のブースは立ち見でもやっと。同時開催の横山大観展を上回る人出だった。

私の目当ては15:45~17:45の「シーグラフ・エレクトロニックシアター」。世界からの応募905作品から選ばれたVFXやCMなど、最新のCG技術を駆使した33作品を見ることができた。特に、『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『トランスフォーマー』『スパイダーマン3』のVFXメイキングなど、どのように映像が作られているかよく分かって面白かった。昨年、デジハリで行われた『DEATH NOTE』のメイキングを見て以来、VFXには関心を持っている。

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『マトリックス』でも有名なポール・デベヴェック氏が、30分ほど、8月にサンディエゴで開催したシーグラフのエレクトリックシアターについて解説してくれた。その後の作品上映には驚きの連続であった。日本からの作品も2本あった。顔のテクスチャを貼る場面や、合成していく場面、モーションキャプチャで人の動きをCGに取り込む場面など、普段見ることができない制作技術の紹介も盛り込まれている。「図形と画像の処理」を教える上でも大変参考になった。

■明日の10:30-12:30にも同じ上映がある。興味のある方はぜひ。
http://media-arts.cocolog-nifty.com/festival2007/2008/01/cg_bfb6.html
上映作品の一覧(抜粋)は、次の公式ページに紹介されている。
http://www.siggraph.org/s2007/attendees/caf/et.html

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2008年2月 9日 (土)

Photoshopクリエイター能力認定試験の検討

連休初日は休養と教材研究

午前中は完全休養、午後はスポーツクラブで汗を流しリフレッシュ。夜は教材研究を兼ねて、標記検定試験の対策テキストを実習し、生徒対象の試験の実施を検討している。この連休に一気に片付けたい。

Illustratorの2級については、すでに自分が受験し、合格している。Photoshop2級についても、そのカリキュラムと教材の妥当性を検討し、生徒対象に校内受験が妥当かどうか判断する。これらはサーティファイという検定試験業者の3部門のひとつ、ソフトウェア活用能力認定委員会が担当している。これらの検定試験は技能審査の単位認定には該当しないが、職業観を養う総合学科として、授業で教えた以上の技能を学びたい生徒の学習活動を支援するものと考えている。教材も充実しているので、ある程度使えるようになった生徒は、自学自習で実力をつけることができる。

本校で、Adobe社のアプリケーションを使っている科目は、
・DTP活用:Illustrator/Photoshop/InDesign
・図形と画像の処理:Photoshop/AfterEffects/Flash
・美術II:Photoshop
・CGデザインI・II:Photoshop/Illustrator
・映像メディア表現:Photoshop/ImageReady/Premier/AfterEffects
・Webプログラミング:Dreamweaver
・情報A:Flash/PremierLE
(※教材作成でCaptivateは欠かせない!)

これらの科目の中で、上の5科目では特に利用頻度が高い。当然、授業で扱った機能はマスターするが、それ以外の機能を知っておくことは、表現力を高めるだけでなく、特技として認知される。

個人的には、WordやExcelを使えることよりも、Photoshop・Illustrator、さらに、InDesign・Flash・AfterEffects、そして今後はAIR環境を使えることの方が価値があると考えている。

まずは、学習目標として、基本であるIllustratorとPhotoshopのクリエイター能力認定試験2級の校内実施を目指している。

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2008年2月 8日 (金)

大師高校第10回課題研究発表会

午前中、川崎労働会館で行われた標記の発表会に参加

神奈川県初の総合学科である大師高校。総合学科の特色である「産業社会と人間」・「課題研究」のカリキュラムや成果発表など、後進の総合学科として学ぶことが沢山ある。私は、このような発表会や研究会に何度か参加させていただいているが、伝統の中で築かれて来たものを感じる。

3年次生が一人ひとりのテーマで研究を重ねてきた成果を発表する会。本日は6つの系列から代表として選ばれた、9件の課題研究の発表があった。12月17日に大師高校で行われた系列別の発表会で見た発表もあったが、その時よりさらに素晴らしい発表になっていた。この指導技術にも伝統を感じる。

どの発表を聞いても勉強になるのだが、今回の発表の中で、テーマ、取り組み内容、発表態度とどの面からも感動させられた発表があった。生活福祉系列の「HIVについて」という20分の発表である。

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この生徒は、参加したエイズ文化フォーラムin横浜神奈川高校生エイズフォーラムでの取り組みやHIV感染者との交流を通して学んできた。自分自身が、HIV感染者の気持ちに近づくためにもHIV検査を行い、その結果が出るまでの気持ち、結果を聞いてからの気持ちを話しながら、マザーテレサの「愛の反対は無関心である」という言葉の意味とHIV感染予防の必要性を訴えていた。

実体験をもとにしており、HIV検査の結果報告様式を画像で示すなど、リアリティにあふれた素晴らしい発表であった。研究論文としてまとめるだけではなく、このように発表して成果を共有することで価値が何百倍にもなる。

■生徒の発表の後、今年度大師高校で教育実習をした卒業生からの応援メッセージがあった。総合学科の教育活動を継続し発展させていくためにも、生徒と教員の自覚を促す効果がある。特に教員の異動による教員集団の指導力維持に関わる問題については、本校でも今から対策を取らなければいけないと再確認した。

横浜清陵総合高校はまだ総合学科1期生を送り出したばかりだが、彼らの声こそが本校の総合学科教育の価値を判断するもの。今後、どのように調査し、フィードバックしてていくか、校内でも検討していくことになっている。

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2008年2月 7日 (木)

横浜清陵総合高校のペーパークラフト

生徒がExcelで作ったペーパークラフトの作品を紹介する

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少し前になるが、年明けのある日、2年次生の男子がUSBメモリをもって「この中を見てください」と現れた。彼は初級シスアド対策の面倒を見ている生徒の一人で、科目「Webプログラミング」では抜群の力を発揮している。中身を説明しないので、不審に思いながらウィルスチェックをしてから確認した。それがこの画像とExcelで作った型であり、正直ビックリした。(驚かすことが彼の狙いだったのだろう)

B5のケント紙にプリントアウトして作った作品の写真が付いている。私はまだ作ってはいないが、非常に面白いものを見せてもらった。学校の公式サイトおよび私のブログにて紹介させてもらうことを確認したが、ここに先行して紹介する。

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2008年2月 6日 (水)

情報部会テスト委員会:完成テストの送付

16時より湘南台高校にて、標記委員会に参加

マーチングバンド(吹奏楽部)では全国レベルの学校。PC教室で会合を開いたが、楽器の音、メトロノームの音が絶えない。

080206kyouiku01昨年度は委員会の内部で試行したが、今年度から本格実施する「完成テスト」。1年間の学びの成果を評価するテストの原稿を、申し込み校に送付する作業を行った。問題用紙と解答用紙(記述用とマークシート用)およびその元データFDを簡易書留で郵送する。袋詰めの前に、OMRでの動作確認を行った。

神奈川県総合教育センターが開発したOMR処理システムでも採点が可能である。このシステムはフリーでダウンロードでき、他の都県や上級学校からも評判が良い。テスト委員会の委員長である横須賀総合高校のI先生は、このために、1年間の実験をこなしてきている。

神奈川県では4月に県下一斉テストという、国語・数学・英語・理科・社会・情報の6教科の試験が学校裁量で任意に行われる。情報については、印刷所を使わず、原稿のみの提供で各校の印刷にゆだねるために無料で行っている。その手軽さのため、他の都県からの採用もある。過去3回の問題と結果は神奈川県情報部会サイトでご覧いただける。3月中旬には、問題送付のための会合が予定されている。試験実施を希望される全国の高校等においては、早急にお申し込みください。

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2008年2月 5日 (火)

コミュニケーション:ポスターの効果

昨日行われた科目「コミュニケーション」の発表会のポスターについて

080204comu00先週の木曜日の5・6校時。「DTP入門」という1年次生から3年次生までが選択できる科目において、1年次生は「産業社会と人間の発表会」、2・3年次生は「インタビュー実習報告会」のポスターを作成した。これらのポスターを校内に掲示してある。

2年次生の何人かに昨日の発表の感想と、ポスターについて聞いてみた。発表については、何とかやりとげたが足がガクガクした、頭が真っ白になって言いそびれたことが多かった、もう一度やり直したいという感想が多い。皆でやることだし、それまでに先生に面倒を見てもらっていたからできたということと、金曜日にポスターが張り出されて、週末の練習に気合が入ったという感想も聞けた。つまり、発表のような場面では、周囲で適度な緊張感を演出することで、よりレベルの高い発表を生み出し、聞く側の期待感も増長する効果があると感じられた。

科目「コミュニケーション」のクラス内発表の結果、クラス代表が選出される。3月3日に代表者による2年次生全員の前での発表会が行われる。このこともポスターに記述されており、生徒に対して期待感と緊張感をもたらすことを狙っている。

まず、昨年同じ体験をした3年次生のポスターから3点を紹介する。これらには、体験した者こそわかるキャッチコピーが添えられている。
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次に、2年次生の作品。こちらは「コミュニケーション」という言葉から連想されるデザインを考えてレイアウトしている。
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1年次の総合学科必履修科目「産業社会と人間」の発表会については、まだ提出されていないポスターがある。今週の木曜日には揃えて掲示する予定である。まだ発表会に慣れていない1年次生も、学校内で渦巻いている発表会の雰囲気を感じ、気持ちを高ぶらせていくことを期待している。

■上手い下手に関わらず、全ての作品を掲示する。まだ私自身が勉強中だが、生徒にはこれらの作品を比較しながら「情報デザイン」の意識が普及していくことも期待している。

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2008年2月 4日 (月)

コミュニケーション:クラス内インタビュー実習報告会

横浜清陵総合高校の特色である標記の科目・発表会

昨日の雪も解け始めた中庭、休み時間には生徒がはしゃいでいる。

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しかし、2年次生は休み時間返上で、クラスを2分割して2時間連続の発表会を行っている。
2年次に2単位で配置した学校設定科目「コミュニケーション」を必履修としている。前期にコミュニケーションスキルを磨き、後期には自分の将来に役立つ方に自分でアポをとってインタビューを行う。このインタビュー実習のまとめとして、動機から伺った内容、感想などを一人3分で発表する。スライドやハンドアウトを使わずに、しゃべりだけで発表するので、ここしばらくは仲間同士でリハーサルと改善を重ねて練習をしてきている。

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発表においては、周りを囲む生徒との間に何も置かず、原稿もなしで発表する。発表者の緊張感は部屋中に伝わり、私語も出ない環境。この実習を経て清陵生として一人前になっていく。発表中はメモを取ることを許されず、発表終了後にワークシートに内容と評価・感想を記入する。様々な職種の方へのインタビューの報告は、共有の財産として一人ひとりの心に残っていく。

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2時間をかけて20人の発表が終わると、生徒たちのため息。緊張からの開放感と大仕事をやり遂げた充実感・満足感が入り混じった感無量のもの。その空間と時間を一緒に過ごした生徒と指導教員の間には、強固な連帯感が生まれている。終了後の指導教員からの言葉にも、生徒と同じ感動が表れている。

2年次生は、このコミュニケーションスキルトレーニングとインタビュー実習で得た力を糧に、3年次の課題研究、さらには将来に向かってのステップを踏んでいく。他の学校、特に普通科高校では味わえない教育活動だ。

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2008年2月 3日 (日)

情報検定(J検)の校内実施

雪降る中、本日は標記の検定試験の監督

実施したのは、J検の「情報デザイン試験」と「情報システム試験」。まだ新しい検定なので、初の受験指導をしてきた。「情報デザイン試験」は私が担当する科目「DTP活用」の受講者から3名、「情報システム試験」は科目「アルゴリズム」の受講者またはC言語を学んでいる生徒5名が受験した。合格による認定単位数は、「情報デザイン試験」が1単位、「情報システム試験」が3単位であり、後者は情報の科学的理解の上に、プログラミング能力またはシステム開発能力が必要なため、授業の範囲を大幅に超えた内容。

早朝から雪が積もる悪条件。受験生が登校してくるか心配であったが、全員が無事受験した。合否は別としても、J検は問題を解くこと自体が勉強になる。靴下をつめたく濡らしながら来た彼らには、活きる力も養われたことだろう。

■参考までに、今回の試験監督を行うための手続きを記す
・J検試験センターより、試験監督の委嘱状を発行。
・委嘱状を添えて、教育長に職務専念義務免除(兼職等)承認申請書を提出。
 (校長から承認に対する意見をいただく)
・教育長から承認通知書を受ける。

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2008年2月 2日 (土)

「情報セキュリティの日」シンポジウム

神奈川県、横浜市、神奈川県警察、NPO情報セキュリティフォーラムが実施する標記シンポジウムに参加

昨年は2月17日の記念イベントに参加した。今年は、横浜駅西口の岩崎学園ホールでさらに盛大な会となった。13:30~17:00。参加者は200名ほどだが、見渡す限り、知り合いの参加者はいなかった。

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挨拶は、元県知事でもあるNPO情報セキュリティフォーラム理事長の岡崎洋氏。そして、名前が聞き取れなかったのだが内閣官房情報セキュリティセンターの方。

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基調講演「身近に潜むITの脅威から身を守るために」は、IPAのセキュリティセンターウィルス・不正アクセス対策グループの加賀谷伸一郎氏。専門セミナー「サイバー攻撃の実演と対策」は、神奈川県警のサイバー犯罪対策プロジェクトの卯野氏で、すでに3回お話を伺ったことがある。各90分、フルに発表された。

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基調講演でも専門セミナーでも、「Winny」と比較的新しい「ボット」の紹介が目立った。
基調講演では、その上、「ワンクリック不正請求」のさまざまな具体事例をブラウザのキャプチャ画像を使って紹介。無線LANの脅威として、脆弱なWEPを止めてWPA2の推奨をしていた。ちなみにWiiはWPA2だそうだ。
専門セミナーでは、複数のPCを使った実験で解説した。すでに伺ったことのあるパスワード解析の実験のほか、DoS攻撃をうけたWebサーバからの閲覧の実験、ボットによるのっとりの実験、SQLインジェクションによる入力データの取得の実験を見せてくれた。
どちらも、具体的な例をあげての解説なので、とても分かりやすくタメになった。

■発表者が紹介されていたサイトをメモしておく

・セキュリティセンター(IPA/ISEC)
 http://www.ipa.go.jp/security/
・神奈川県警のサイバー犯罪対策ホームページ
 http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesd0015.htm
・警視庁セキュリティポータルサイト「@police」
 http://www.cyberpolice.go.jp/
・警視庁サイバー犯罪対策ホームページ
 http://www.npa.go.jp/cyber/
・警視庁「インターネット安全・安心相談システム」
 http://www.cybersafety.go.jp/

■情報セキュリティトピックセミナーの案内

NPO情報セキュリティフォーラムの関係者と相談し、2月21日夜の標記セミナーについて、教員については受講料1000円を無料にしてくださるとの回答を得ました。メール等で申し込みの際に、必ず学校名を添えてください。
テーマは、クレジットカード産業の情報セキュリティ国際基準
       ~PCIDSS監査プログラムの紹介~

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情報セキュリティの日

本日は、昨年から定められた「情報セキュリティの日」

ちなみにMyBirthdayでもあり、めでたく#30歳になった。

さて、「情報セキュリティ」については、個人としてめでたくない事故に2回遭遇したことがあるので、参考までに記しておく。

(1)フォームでの送信データが暗号化されなかった件

もう4年半も前のことだが、経産省の「情報セキュリティアドミニストレータ」の試験について、申し込み初日の早々にWebで申し込んだ。その日の夕方に届いたメールを引用する。

Tue, 1 Jul 2003 17:57:33 +0900
平成15年7月1日
平成15年秋期情報処理試験受付に関するご連絡

2003年7月1日早朝、掲題のインターネット受付をしていただきありがとうございます。
当試験センターがインターネット受付を委託しております事業者の不手際で、お申込みの情報が暗号化されずに送信されていた事実が判明しました。
登録されました情報については安全に保管されておりますが、お申込みの際に暗号化通信が行われなかった事から、インターネット通信の途上で受験者様の登録情報が盗み見された可能性も完全には否定出来ないことも事実です。平成15年秋期情報処理試験のインターネット受付に際しまして、皆さまに多大なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
現時点では受験者様の登録情報に関し具体的な問題が発生している、という事実はござい ませんが、今回ご利用のカード番号が悪用される事を防止する為に、お手数をおかけしますが、ご利用のカード番号のご変更手続きをお願い申し上げます。カード番号変更の具体的な、手続きにつきましてはお持ちのカード会社とご相談をお願いします。仮にカード番号変更に要するカード会社手数料について負担が発生する場合には、当方(連絡先下記)にて負担させていただきます。
今回の不手際を重く受けとめ、全力を尽くしてまいる所存ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

お問合せ先
財団法人 日本情報処理開発協会  情報処理技術者試験センター

意気込んで申し込んだが、一気に受験のモチベーションが下がり、試験前日まで勉強をしなかった。当然アウト。

(2)MSブラスターに感染した件

不審なサイトを閲覧した記憶もなく、感染経路は分からずじまいだった。感染すると、起動しても1分以内にシャットダウンするという症状。駆除する時間が与えられない。
幸い、Windows2000とデュアルブートにしていたので、対処方法を調べ、XPのパーティションから該当ファイルを削除した。
現在、Vistaマシンは実験マシンとしてトリプルブートにしてあるが、他のOSからはVistaパーティションを見ることができない。何かあったら他のマシンから対処するか。不便になったものだ。

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図形と画像の処理:科目の進化を振り返って

科目「図形と画像の処理」では1月23日の試験のように特撮の基礎を扱っている

ふと、科目の内容を振り返ってみた。

昨年度の最終作品はメタセコイアでモデリングしてPOVRayで配置・レンダリングしていた。今年はメタセコイアでモデリングしてから、MIKOTOを使った3DCGアニメーション、そしてAfterEffectsで静止画との合成ムービーまで作ってきた。2月からの授業では残った2年次生対象に、アニメと実写(動画)との合成を予定している。

このように科目が進化したのには、2つの理由(きっかけ)がある。

(1)AfterEffectsの利用
昨日のテレビ番組で初めて映画「DETH NOTE」を見た。実は、2006年11月21日にデジハリのオープンカレッジMaking of DEATH NOTEに参加して、CGと実写の合成として興味を持っていた。
そのオープンカレッジで紹介されたVFXの技術に驚き、これこそ「図形と画像の処理」の最終目標と感じた。その後、VFX関係の無料体験講座の受講を重ね、昨年5月からは、デジハリ横浜校で待望の「デジタルムービー講座」を受講してAfterEffectsのスキルアップをした。これが今の授業に反映されている。

(2)MIKOTOの利用
昨年度の「図形と画像の処理」の受講生の一人を文科省のICTスクール2007のCGクラスに推薦した。そこでは、メタセコイア+MIKOTOでアニメーションを作成していたので、彼はMIKOTOの技術を学校に持ち帰ってきた。フリーソフトで、スキニングさえすれば容易にアニメーションを設定することができる。彼はMIKOTOを私に伝授してくれただけでなく、たまたま空き時間であったので、「図形と画像の処理」の授業に付き添っていてくれた。見本作品を紹介したり、操作を受講生に示してくれたりして貢献してくれた。

この2つの理由(きっかけ)には、共通していることがある。興味を持ったらチャレンジし、外に出て学んでくるということだ。総合学科高校としても、この姿勢を推進していきたいと思っている。

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2008年2月 1日 (金)

DTP活用:試験作品の講評+

3年次生にとっては最後の授業。1月25日の試験の講評などを行った

午後に入試関係の作業があるため、短縮特別時間割の中の1時間。作品およびプレゼンの評価について説明し、相互評価のために投票を行った。

1月8日に紹介した作品よりも、「情報デザイン」としての質が高くなっている。生徒の目も肥えてきたようだ。

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12作品の配置はランダムなので、誰の作品かは分からない。ポストイット3枚に記名して、順番にホワイトボードの投票枠に貼っていく。他の生徒も緊張しながら投票を見守る。

おもしろいことに、投票の結果は1月8日の得票数と逆転していた。通年で考察していきたい。

試験時の作品プレゼンは録画してあるので、プレゼン部門で評価が高かった2名のビデオを紹介した。アピールしたい点が伝わるように工夫しているので、他の生徒、特に2年次生には今後のプレゼンの参考になったはずだ。もちろん、来年度は教材として後輩の学習活動に役立てていく。

■この日にあった「図形と画像の処理」と同様、3年次生には今までの作品をDVDに焼かせて持ち帰らせた。

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