大師高校第10回課題研究発表会
午前中、川崎労働会館で行われた標記の発表会に参加
神奈川県初の総合学科である大師高校。総合学科の特色である「産業社会と人間」・「課題研究」のカリキュラムや成果発表など、後進の総合学科として学ぶことが沢山ある。私は、このような発表会や研究会に何度か参加させていただいているが、伝統の中で築かれて来たものを感じる。
3年次生が一人ひとりのテーマで研究を重ねてきた成果を発表する会。本日は6つの系列から代表として選ばれた、9件の課題研究の発表があった。12月17日に大師高校で行われた系列別の発表会で見た発表もあったが、その時よりさらに素晴らしい発表になっていた。この指導技術にも伝統を感じる。
どの発表を聞いても勉強になるのだが、今回の発表の中で、テーマ、取り組み内容、発表態度とどの面からも感動させられた発表があった。生活福祉系列の「HIVについて」という20分の発表である。
この生徒は、参加したエイズ文化フォーラムin横浜や神奈川高校生エイズフォーラムでの取り組みやHIV感染者との交流を通して学んできた。自分自身が、HIV感染者の気持ちに近づくためにもHIV検査を行い、その結果が出るまでの気持ち、結果を聞いてからの気持ちを話しながら、マザーテレサの「愛の反対は無関心である」という言葉の意味とHIV感染予防の必要性を訴えていた。
実体験をもとにしており、HIV検査の結果報告様式を画像で示すなど、リアリティにあふれた素晴らしい発表であった。研究論文としてまとめるだけではなく、このように発表して成果を共有することで価値が何百倍にもなる。
■生徒の発表の後、今年度大師高校で教育実習をした卒業生からの応援メッセージがあった。総合学科の教育活動を継続し発展させていくためにも、生徒と教員の自覚を促す効果がある。特に教員の異動による教員集団の指導力維持に関わる問題については、本校でも今から対策を取らなければいけないと再確認した。
横浜清陵総合高校はまだ総合学科1期生を送り出したばかりだが、彼らの声こそが本校の総合学科教育の価値を判断するもの。今後、どのように調査し、フィードバックしてていくか、校内でも検討していくことになっている。
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コメント
他の総合学科高校も大師高校のような良質な伝統を創り保てるといいですね。
投稿: HIRON | 2008年2月11日 (月) 18時42分
HIRON様、コメントありがとうございます。
互いの総合学科高校が、その違いを理解しながら、どのような伝統を築くべきか工夫することが必要です。神奈川では今のところ大師高校から学ぶことが多いのですが、今後開設する総合学科高校からは、本校も既設校として見られるので、その特徴を整理しているところです。
互いの良いところを学ぶという謙虚な姿勢で、職業観を持ったキャリア教育を目指していきたいですね。
投稿: VX | 2008年2月12日 (火) 22時54分