日本情報科教育学会の設立について
12月23日に発足予定の日本情報科教育学会について
■まず、前置きとして。
10月27日の高校教科「情報」シンポジウム2007では、「教員養成」をテーマに、情報関係の複数の学会を代表される方々がパネリストとして、また講師として発言された。このシンポジウムの主催は情報処理学会であるが、参加のどの学会でも、一学会で、専門教科を含む教科情報の全範囲をカバーすることは無理であろう。
現職の多くの情報教員が苦手とする「情報デザイン分野」、私も苦手であるが、研鑽を積んで少しは理解してきた。そこで、この分野の科目の短期集中講座を設置し、情報科教員を目指す学生をインターンシップで招いている。将来の教育環境を整えるために、手堅い方法だと認識している。幸い、この実践を、シンポジウムで発表する機会を与えていただいた。
■さて、本題に入る。
新学会の設立にあたって、期待することはひとつ。普通教科情報・専門教科情報の内容、普通科高校・職業科高校・総合学科高校で設置されている(設置が期待される)科目、そして、全ての情報科の教員養成課程の学部学科の教育内容を見渡して、学習者のために幅広い視野を持ち、バランスの取れた教育活動を支援する集団であることである。
参考に、学会の暫定サイトより学会設立の趣旨を引用させていただくと、
新たに教育課程が編成される際には,長期にわたる継続した教育研究が必要ですが,情報教育に係る種々の担当者が短期で交代することになったり,また,研究者や教員においても研究テーマや担当教科の変更等を余儀なくされたりして,教育研究を継続して行なうことが困難な場合があります。このような状況にあっても,情報教育について長期にわたり継続した研究を維持するためには,その教科に係る諸課題を直接に研究のテーマとする組織が必要になります。私たちは,このような状況を共通に認識し,情報科教育研究を継続的に進めるため,関心をもつ多くの関係者に広く呼びかけ,研究の推進を支援しその研究成果を交流する場を提供するとともに,それらを社会に還元できる組織として,日本情報科教育学会の設立を進めてまいります。周知のように情報教育に関係する学会はいくつもありますが,教科を中心に置き,その教育学的・哲学的な研究はもちろんのこと,教科の在り方について,恒常的・組織的に研究を進めている学会はありません。このことは,教育現場や教育行政のみならず,国内外の社会においても重大な問題といわざるを得ません。教育系の学会は,必ずしも規模の大きさではなく,例えば,半世紀にもわたる長い期間において,個人研究はもちろんのこと,組織的・恒常的にも研究を行い,将来においても持続することが,各方面から信頼される最大の要因となります。以上のように,情報科教育研究におきましては,優れた研究者・実践者の養成に加え,それを支える組織が必要であるという状況をご理解いただきまして,本学会の設立に向けてご協力・ご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。今回の学会設立は、この期待をかなえるものと考え、喜んで参加させていただきます。
設立準備の皆さん、関係の皆さん、よろしくお願いします。
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