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2007年9月20日 (木)

DTP基礎:作品評価より

前期の成績処理が終了。「DTP基礎」で顕著な特徴が。

先週からかなりの時間を割いて評価活動をしてきた。私の担当は作品制作が多いので、その作品から観点別に評価点を出し、その合計として総合評価点を得る。評価計画は立てるが、前期の全てを終えてでなければ評価の重みは決定できないので、いつも最後にまとめて行う。もちろん、授業中の取り組みも観点別の評価に加える。

この観点別学習状況の評価については、2003・2004年度、情報部会の仲間とともに上月情報教育研究助成をうけ、2005年には第13回上月情報教育賞をいただいた。この時点では、かなり進んだ研究であったが、この経験がこなれて活きている。

しかし、私が理想とする観点別学習状況の評価は、「単元別」のものであり、その単元ごとに評価を示すことで「形成的評価活動」として活用するもの。いわゆる評価と共に出すだけでは、その価値は激減してしまう。しかし、あまりの多忙さにより、かつて実践できたことが、今では学期末だけの行事になってしまい、誠に残念である。

■さて、本題に戻る。
1年間2単位で教える「DTP入門」という科目と、そのダイジェスト版として8割の内容を夏休みの36時間で1単位で教える「DTP基礎」という科目を担当している。この2科目の作品評価から、感じたことを示したい。

まず、通常の授業「DTP入門」では、ほとんどの生徒が過去の作品を超えるレイアウトをすることができた。校内新聞などが掲示されているので、これらからヒントを得る機会もある。週1回ごとの授業なので、知識が少しづつ醸成されて奥の深さを感じさせる。毎年、必ずレベルが上がってきている。

そして、短期集中講座の「DTP基礎」では、レイアウトのアイディアも、グリッドシステムを利用したオブジェクトの配置の緻密さも、驚くほどの出来栄えであった。いや、本当に驚いた。
その理由は明らか。インターンシップ生の協力により、手厚い学習環境が整い、生徒は適度な緊張感の中で細かな知識・技術を習得し、それを活かしきることができたからだ。作品の評価点は例年をかなり上回った。

■「短期集中講座」+「情報の教員を目指す学生のインターンシップ」の目的

実は、この取り組みは、2006・2007年度の第14回上月情報教育研究助成を受けている。現状では、私が中心に活動しているが、本校の情報科教員の小島淳子教諭(現:情報科指導主事)と工藤剛司教諭と3人で中心になって申請したもの。

研究テーマは、

高校の「短期集中講座」と大学生のインターンシップを利用した2つのねらいを持つ教育活動
~高校生の情報教育に役立つ手厚い指導体制づくり~
~情報科教員を目指す大学生の意欲と資質を高めるための支援~

ということであり、今回の作品評価からも、サブテーマの前段は明らかに実現できた。サブテーマの後段は、まずは実施直後までは大成功を収めているが、これから教員採用までをトレースして本当の成果が確認される。

■インターンシップ生4名には、モチベーションを保つために、授業見学やデジハリの無料体験講座などの情報を提供し続けている。大学も忙しいであろうが、教員になるためにどれだけ意欲があり、そのための活動にチャレンジできるか。与えられたこと以上に、自分からアクションを起こすことができないと、問題解決型の情報の授業など、とても指導できないであろう。

試練は、自分のためになる。

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