ペルソナ/シナリオ法
26日夜、某検定試験の作問委員会(宿泊研修)に参加。
この作問委員であることは明かしてよいのだが、伏せておく。もちろん、県の教育長に許可を得ており、前後に半日づつ休暇を取って参加する。参加者の中で高校の教員は専任が4名、非常勤講師が1名だった。
通常の作業として作問をすることから学ぶことは多い。情報の常識は日進月歩で変化しているので、常に正解がひとつであるように心がける。また、誰からも誤解されない文章表現も大切。その経験は校内の作問にも活かされている。
今回の研修会は、通常の作問作業ではない。新分野の試験を開発するグループから「ペルソナ/シナリオ法による問題作成」の報告がメイン。今回は新検定を作るにあたって、ターゲットの人物像を1人(ペルソナ)作りあげ、そのペルソナを100%満足させるコンセプトを作りあげたという。そのペルソナには、もちろん架空だが、いかにもありそうな名前と写真、年齢、住所、家族構成、特徴、役割、目標などを具体的な文章で表現している。そしてキャストという、ペルソナに関連する数名の人物像も同様に文章化されている。このペルソナを満足させ、キャストにも好影響を与えるような試験を作るという共通認識ができれば、作問の方針もぶれない。という説明。この方法は、他の作業にも応用できそうだ。
「100%の人を満足させるより、10%の人が100%満足」という言葉が印象に残った。
さて、この「ペルソナ/シナリオ法」を説明した一人は、超難関私立高で情報の非常勤を務めているという。2単位のうちの1単位分を全クラス教えている。その内容は、グループを作ってプレゼンをしていくのだが、その作業から評価までをプロジェクトマネージメントという視点を重視しながら行うという。本校でも、グループ発表と個人発表を併用しながら、企画力やコミュニケーション能力を高めるという表現を使っているが、「プロジェクトマネージメント」という表現でまとめるところがすごい。感動した。
参考までに、ペルソナはVisualBasicの開発者であるアラン・クーパー氏の著書「コンピュータは、むずかしすぎて使えない!」(翔泳社)に紹介されているそうだ。
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