総合学科学習活動成果発表会
善行の県立総合教育センターにて。13時30分より開会。
今回で第3回目となる標記の発表会。県内の総合学科の生徒による様々な学習活動の発表会。発表も司会も生徒が行う。発表内容は以下の通り。どの発表も総合学科ならではの実体験に基づいたもの。背景にある各校の工夫や、活発になってきた総合学科の連携活動が伺われる。3年連続で参加しているが、生徒にとっても教員にとっても明日の活力を得られるような会である。
◆特色ある授業の学習成果発表
(1)「産業社会と人間」(みなと総合)
(2)「コミュニケーション」(横浜清陵総合)
(3)「課題研究」~えほんでまなぶ~(相模原総合)
(4)「課題研究」~美味しく見える条件~(市立横須賀総合)
(5)「国際理解」(藤沢総合)
(6)「神奈川の環境問題」(大師)
◆授業以外の活動成果発表
(1)「インターンシップの取り組み」(金沢総合)
(2)「研修旅行」~尾瀬・韓国~(鶴見総合)
◆校外連携活動の成果発表
(1)「夏季公開講座」~工業技術基礎~(神奈川総合産業・定)
(2)「レッツアクセス総合学科」(みなと・横浜清陵・鶴見・大師・金沢)
(3)「総合学科Web委員会」(麻生・横浜清陵/情報科学専門学校)
写真は「総合学科合同Web作成委員会」の発表の様子と講評。発足以来活動をリードしてきた麻生総合の3年次生が活動の流れを説明。本校がデザインを担当させていただいたので、1年次の2名の委員がその経緯を説明。情報科学専門学校の学生がボランティア活動としてサイト運営を行っているので、その活動内容を発表。さらに会場からの質問に対しては、まとめ役の麻生総合校長も回答した。
他の発表でも、学校外での学習活動の発表が目立った。
「神奈川の環境問題」は大師高校が11年前から取り組んできた授業。生徒が舞岡公園の保全活動に参加しながら地域市民とかかわってきた様子を、市民と一緒に報告した。環境問題に興味、関心があって積極的にこの科目を選んだのではない女子生徒が、いつしか田んぼで泥だらけになりながら、舞岡の美しい四季の移り変わりを体験していく。このように生徒が変わることができるのは、総合学科のもつ「校外へ目を向ける仕掛け」の成果であろう。
閉会後、舞岡公園谷四囲会の市民3名を囲み、学校を超えた有志教員が集まり、総合学科談義に花を咲かせた。
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コメント
たいへん良く、また考えさせられた発表会。
総合学科の学びの広がりと深さ、また今後の課題についても大いに示唆を与えてくれました。
感じたことは多々あるのですが、「百年河清を待つ」、「愚公山を移す」という中国の故事を思い起こしました。
大師高校の取り組みは11年前に小さな挑戦として始まったと聞いています。その当時を回顧した「何でわざわざこんなところまで来たんだろう」、「まずは一歩を踏み出す」、「継続こそ力」という市民の方々の声は多くのことを示唆しているように私には思えました。
「百年河清を待つ」とは地道にやっておればいつか結果が現れる、「愚公山を移す」とは途方もないことでも挑戦していって続ければ道は開ける、と解釈できるかと思います。つまり、4次報告を契機に1994年度から創られ始めた総合学科の学びは、10年ほどたった現在になって初めてその成果が出始めている、と言えるのではないでしょうか。大師高校の発表はその点で他の発表とは違う位置づけですし、「コミュニケーション」、「国際理解」などの新たな試みも結果が出るまでは時間がかかる、つまり「百年河清を待つ」、「愚公山を移す」の真っ只中にあると解釈するのが良いのかなとも。
教育の世界は、というより、教育はすぐには結果が出ません。さまざまな教育活動の体験が蓄積され醸成されて結果が出るはずです。泡盛の古酒(クース)は長い熟成時間をかけて初めてまろやかで上質なものになる、と同じだと思います。いささか乱暴な例えですが。
ところが昨今では教育の世界でも性急に結果を出すことが求められる傾向があります。時代の趨勢といえばそれまでですが、すぐに結果を求められることの多い民間とは違い、教育はもっと長いスパンで答を出さなければいけないと最近強く思っています。
神奈川県は総合学科先進県でもあり、さまざまな形でこうした発信は重要かつ必要と思います。しかしもっと重要なことは総合学科に携る教員が「自分で考える」ことではないかと思います。まさに教員ひとりひとりが個人で、またみんなで「愚公山を移す」取り組みをしていくことが、総合学科をしっかりしたものとして根付かせていくのではないかと思います。
他にも多々ありますが、それはまた。
VXさま、楽しい記事をありがとうございました。
VXさまのご活躍もまさに「愚公山を移す」試みではないかと陰ながら応援させてください。
投稿: HIRON | 2007年3月21日 (水) 20時51分
追記
「百年河清を待つ」には「いくらやっても効果がない」という解釈もあるそうです。むしろこちらがメジャーという見方もあるようです。
私の浅学の限りでお恥ずかしいのですが、上のコメントでは書いたとおり、いつも濁っている黄河の流れも様々な手段を講じておれば100年たてば水も清くなる、という風に解釈して、「地道にやっておればいつか結果が現れる」と私なりに解釈しました。
どうぞそのように解釈していただけると幸いです。
誤解をおかけして申し訳ありませんでした。
PS:誤解ついでにもうひとつだけ私の好きな言葉を
書かせてください。言い訳ですが・・・
「グッドルーザー(良き敗北者)になりたい」
(アントニア・グラムシ)
投稿: HIRON | 2007年3月21日 (水) 22時00分
HIRON様
ブログの感想をありがとうございます。学習活動成果発表会に参加されたのですね。
本校からは教員8名と生徒10名程が参加しました。高校現場では評価作業のピークなので日程としては苦しいのですが、そこで参加される方々の意欲は測り知れませんね。
生徒達の発表を参加できなかった方にもお知らせするために、毎年ビデオを撮影して編集しています。今回もDVDに焼いたデータを作りましたので、よろしかったら声をお掛けください。
また、本校で行う夏の公開講座「DTP基礎」には県内の総合学科生なら誰でも参加できます。もちろん単位認定も可能です。今年も8月下旬に6日間の日程を予定していますので、広報やデザインに興味のある生徒さんにぜひお勧めください。
投稿: VX | 2007年3月22日 (木) 00時15分