盲学校の見学から…
WebアクセシビリティはCSSの普及が追い風になって、話題に上ることが多い。
今年度の神奈川県情報部会の活動の中でも、5月の研究大会では株式会社UDITの関根千佳氏の講演「情報のユニバーサルデザインは21世紀のキーワード」、6月の研究会では、横浜市立盲学校における「ICTを活用した自律支援学習プログラムの見学」を行ってきた。AromaticKamさんのブログにも報告されている。
これらのテーマを扱った背景として、神奈川県情報部会の部会長の勤務校が福祉コースをもち、手話を使っていること。同部会ネットワーク委員長が横浜市立盲学校の先生達と共に、学校にネットワークを整備するボランティア活動を行っていたことが影響しているのだろう。
個人的には、後者の盲学校の現場見学から衝撃的なインパクトを受けた。
「盲」「準盲」「弱視」という定義も知らずに参加した自分が恥ずかしく思えた。点字の図書をスラスラ読む10代の生徒、PCの画面に数文字しか表示できないくらいに拡大して本を読む大人。音声ブラウザにたよってコンピュータの学習をしている高校生。ぶつからないように右側通行で廊下をあるき、点字で教室を確認する小学生。みんな「生きたい」という後姿をみせてくれた。健常者よりもはるかに少ない情報を必死で探して暮らしているのだ。最寄といってもかなりある駅まで、白杖をつきながら点字ブロックや音付き信号を頼りに帰っていくのだろう。「放置自転車などにぶつからないで」と祈ってしまう。
この見学は、ちょうど情報Aの授業でシャノンのコミュニケーションモデルを説明した後。田中洋先生がアップしてくださったスライドを利用して、ピクトグラムを使った情報伝達の実習をしていたときだった。単元を延長して、盲学校内の施設に掲示されているピクトグラムを紹介し、さらに「ユニバーサルデザイン」まで話を拡大した。
6月の内容だが、授業展開を紹介させていただく。
「ある学校のピクトグラム」というタイトルでスライドを作った。
「県内のある公立学校で使われているピクトグラムを見せるから、それが何の教室か、またこれはどの様な学校かを考えてください。」という前ふりで、分かりやすいものから順に見せていく。
図書室/更衣室/コンピュータ室など、はじめのうちはすぐ正解が出るが、作業学習室や自立活動室あたりからヒントが必要になる。さらに、按摩実習室・マッサージ実習室・鍼灸実習室となると頭をひねりながら1つ2つの正解がでる。ではどんな学校なんだろう?・・・

というストーリーで、
- 同年代でも障害とたたかって生きている人がいること。
- 健常者以外の方々にこそわかり易いピクトグラムが求められていること。
- そのニーズに応える為にバリアフリー/ユニバーサルデザイン/Webアクセシビリティの考えが必要なこと。
自作したピクトグラムを「ユニバーサルデザイン/バリアフリー」という観点から考察してレポートにまとめさせた。いつものように、Web形式でも提出させて相互閲覧を行った。
12月に総合学科必履修科目「産業社会と人間」で福祉施設訪問を行う。この事前学習としても価値があった。
私個人に対しては、色の勉強のために色彩検定2級の受検を決定づけた。
■授業の資料「ある学校のピクトグラム」の電子データはこちらからどうぞ。
PDF(186KB) / WindowsのみPPT(1,059KB)
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コメント
ピクトグラム教材を通じて、バリアフリーやユニバーサルデザインの観点をもつ指導を行うすばらしい実践ですね。
五十嵐さんからピクトグラム教材の活用方法や考え方を学ばせていただけました。感謝です。
ピクトグラム教材は、多くの方の実践で幅が広がっています。本当にありがたいことです。
投稿: 田中 洋 | 2007年1月24日 (水) 01時04分
田中先生、コメントありがとうございます。
ピクトグラムのスライドではお世話になりました。
盲学校の見学は本当に勉強になりました。現場では弱視者を支援するICT教育も進んでいます。ピクトグラムに関わらず、ぜひ見学をお勧めします。
投稿: VX | 2007年1月24日 (水) 01時53分
ところで、私の環境でIEで見ますと、トラックバック以下コメント欄も見えませんですね。これはFirefoxから。
投稿: aromatic Kam | 2007年1月24日 (水) 06時59分
aromatik Kam さん、レスが遅くてすみません。
私の環境、IE7、Safariでは問題ありません。最近ココログフリーの障害が多発しています。(個人レベルの妨害か企業レベルの妨害かは分かりませんが)私には解析できません。
別件ですが、PPTファイルはMacのOffice2004で動作確認ができました。
投稿: VX | 2007年1月24日 (水) 22時54分