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2006年11月19日 (日)

情報処理学会の提言について

11月15日付けの情報処理学会の提言、『高校教科「情報」未履修問題とわが国の将来に対する影響および対策』より思うこと。

情報処理学会については、この夏に箱根で行われたシンポジウム「SSS2006」と先月早稲田大学理工学部で行われた「ジョーシン06」に参加させていただいた。もちろん大学教授の方々と違って出張扱いにならない。有給休暇を使い、身銭を切って、部活の生徒をおいての参加になる。次世代の教員の育成について思うところがあり、大学では将来の情報教育についてどのように考えているかを知るためである。特に、日経コンピュータ05年4月号の「これでよいのか、高校IT教育/実態は町のパソコン教室以下」の記事で名を連ねている方々の所属する学会でもあり、集団としての方針が分かりやすいと思っている。

さて、提言の中で私が気を留めたのは、『大学の「情報」教員養成課程において,十分な「情報」の教育能力を育成する。その手段としては高大連携の活用などが考えられる。』という、大学においての教科「情報」の状況改善のための提言であった。「ジョーシン06」にて、そしてその後のアンケートにて、この前段の言葉を引き出したくて発言をしてきた。試作教科書(8月24日/10月28日)については、高校現場で情報の授業に関わらず必ず使う画像処理/動画編集について避け過ぎかと思うが、かなり練っていると思う。このカリキュラム全てを教えることができる教員が育ち、それが一人でも多く現場に投入されて欲しい。学会として教科書を提案して終わりではなく、我々はこのカリキュラムを十分教えることができる人材を育成していますよ、と言って欲しかったのである。

我々は、免許講習会によってカリキュラムを示され、足りない分野を補うために苦労しています。次世代の情報の教員に多大な期待をしています。しかし、教育実習生や新採用教員と接するにつれ、大学の教職課程の脆弱性が見えてしまう。本人たちに罪はない、むしろ、学生集めのキャッチコピーとして「情報免許取得可」をあげ、4年をかけても専門教科情報どころか情報A/B/Cすら教えられない状態で送り出してしまう大学側の問題である。

情報処理学会について、高校の現場を理解していないという声も聞かれた。今回の情報処理学会の提言は、この心配を払拭してくれるものと期待してやまない。全ての学会のメンバーにエールを送りたい。

教員育成のための高大連携という点では、私は今までどおり積極的に行って行く所存である。
代表者は私ではないが、埼玉の関東大会で発表したように上月情報教育研究助成を受けて、『高校の「短期集中講座」と大学生のインターンシップを利用した2つのねらいを持つ教育活動 〜高校生の情報教育に役立つ手厚い指導体制づくり〜 〜情報科教員を目指す大学生の意欲と資質を高めるための支援〜 』という実践研究を行っている。こちらこそぜひ連携をお願いしたい。

次世代の情報科教員育成が最重要課題と考えている。(教科が存在するならば)大量の採用が見込まれるはずである。

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コメント

エールありがとうございます。教員養成、重要な問題だと思っています。だからこそ簡単に「やってます」なんて言えないと思うのですよね。学会提言で言っているような先生が養成できるためには、具体的にどうするのがいいのか、ずっと悩んでます。次の指導要領が公表された後くらいにそういうことを手直しするチャンスがあるかも…それに備えて準備して行きたいですね。

投稿: 久野 | 2006年11月19日 (日) 16時32分

筑波大学の久野靖様でしょうか。コメントありがとうございます。現在教職を取っている学生は高校で情報を受けていないか、受けていても基本的な内容の場合が多いと思います。学会の方々のおっしゃるように情報Aは中学の内容になりつつあります。具体的な例として、情報Aの内容と教科書にある情報機器(動画編集やスキャナーと画像処理など)の扱いを指導できるようにしてあげたらいかがでしょうか。2年次の教職課程に入る頃が良いでしょう。現場では問題解決の場面に情報機器を使う場面が多分にありますので、中学でやるから高校の先生は教えられないでは済みません。もちろん、私の元にインターンシップに来た学生には指導しました。その上で、試作教科書の全カリキュラムを教えられるようにしてあげてください。
他にもいくらでも方法はあります。失敗はフィードバックすれば良いのですからまずやってみることが大切です。目の前の学生を動かしてください。久野さんはなぜ悩んでいるのでしょうか。学会として提言を出した以上、悠長に構えていられないと思いますが。

投稿: 五十嵐誠(VX) | 2006年11月19日 (日) 21時48分

はい、筑波大の久野です。私の所属は筑波大東京地区の社会人大学員でして、学生さんは全部サラリーマンなんですよね。もちろん情報の教員免許課程もありません。私が悩んでいるのは、大学一般の情報教員養成課程をなんとかするにはどうしたらいいかということです。別に悠長に構えているわけじゃないつもりですけどね。いいアイデアありますか。

投稿: 久野 | 2006年11月19日 (日) 22時58分

Boise on my mind でも取り上げていただきました。

投稿: VX | 2006年11月19日 (日) 23時03分

久野様。学会からの提言からの話題ですし、久野様が試作教科書作成とその報告をされているので、学会をしょってのコメントだと解釈します。試作教科書を提案するためにその実現手段をセットで出せなくてどうするのでしょうか。その上、自分で考えることもせずに、丸投げですか?久野様個人の考えは、アンケートの際のご意見のように、「教員養成課程というのは情報だけでなく全教科において共通の枠組みが決まっていて、情報もその枠内でこれこれの単位を取ってというふうになってるじゃないですか。それをどういじれとかいうだけで解決しそうな気はあんまりしないのですよね。」と認識していたので、もう少し整理してからコメントをお願いいたします。
私からは、インターンシップの受入れの他、授業見学などを提供する用意はあります。総論も大切ですが、草の根からできることをやっていかないと遅れる一方です。ぜひ学会の他の先生方とご相談ください。

投稿: VX | 2006年11月19日 (日) 23時27分

助言ありがとうございました。一緒にやっている方たちと考えて行くことにします。

投稿: 久野 | 2006年11月20日 (月) 01時13分

後継者の踏み台にしてもらうためブログを起こし、現場の様子を書き始めました。教職課程担当の大学の先生にも、講義のネタにしてもらえるような事例を紹介していく所存です。どうかよろしくお願いいたします。
お近くにお寄りの際は、どうぞ授業を見て行ってください。生徒の作品も掲示してあります。

投稿: VX | 2006年11月21日 (火) 00時07分

辰己先生のblogに書いてしまったのですがここに書いた方がよかったですね。コピペします。私信のようなものですが…

私達「情報処理学会初等中等教育委員会高校『情報』WG」では機会があればできるだけ高校の現場見学に行くようにしています。五十嵐先生のところも総合学科で情報系科目を工夫されているということで、興味があります。メンバーが多忙なのでうまくスケジュールがつくか分からないところもあるのですが、見学をお願いしてもよろしいでしょうか? OKでしたらメールでご相談差し上げたいので連絡頂けると幸いです。

投稿: 久野 | 2006年11月25日 (土) 11時29分

五十嵐です。今までにも大学、高校の先生方、情報の教員を目指す大学生、教科書出版会社の方などが見学に見えています。本校教員および部会メンバーの励みにもなります。どうぞお出でください。詳細はメールで連絡いたします。

なお、神奈川の情報部会では情報科の教員養成について意識が高いと思います。部会の研究会での発表では「短期集中講座+インターンシップ」の事例に賛同してくださる先生も多く、今後の高大連携のモデルケースにもなるかも知れません。この発展型についてもアイデアがあるのですが、お会いした際に相談に乗ってください。

投稿: VX | 2006年11月25日 (土) 21時39分

なんか2箇所に書いたためにお手数お掛けしてます ^_^; よろしくお願い致します。

投稿: 久野 | 2006年11月25日 (土) 22時32分

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